今回は、先週出席した会議について紹介したいと思います。
その名も「富士山青木ヶ原樹海等エコツアーガイドライン推進協議会」。ずいぶん長ったらしい名称とお感じの方もいらっしゃる(私もそうでした…)と思いますが、しかしどれかを省略してしまうと意味を成さなくなってしまうので仕方がないのかもしれません。内容に興味がある方、訪れようと計画されている方はガイドライン全文と利用可能ルート図をご覧のうえ、当該地域の保全にご協力をお願いします。
さて、皆さんも「青木ヶ原樹海」という言葉は、よくお聞きになると思います。どのような場所をイメージされますか? 「樹海」と聞くと、残念ながら負のイメージを払しょくするまでには至っていません。しかし一度でも訪れたことがある方は、その自然の豊かさに驚かれたはずです。事実、富士山麓でこれほどの規模で原生的な自然環境が残っている場所は他にありません。ただその一部地域では、以前からエコツアーや自然体験活動などの利用頻度が高く、自然環境の悪化を招きかねない状況を生み出していました。そこでは「ルール」なき利用が行われていたのです。この現状に危機感を抱いた、エコツアー事業者、研究者、関係行政機関によって保全と適正利用のためのルールである「富士山青木ヶ原樹海等エコツアーガイドライン」が制定され、その運用のために「富士山青木ヶ原樹海等エコツアーガイドライン推進協議会」が設置されました。
年に2回定例会議が実施されており、今回はガイドラインの遵守状況の報告、課題項目の討議などが行われました。また新たな取り組みとして、モニタリング手法を取り入れた調査(利用記録・生物記録)を実施していく方向で話が進んでいます。当日は私たち富士山レンジャーも、当該地域における巡回時に発見・遭遇した事案を主として三浦が報告をしました。
このガイドラインは、あくまでも『紳士協定』です。とはいえ、参加されているエコツアー事業者の方々は、大変意識が高く、この地域を「持続的に利用」するための努力をしています。当面の課題は、この協議会に参加していない利用団体に周知を図り、参加を促していくことと考えています。(S)