富士山・レーニア山教育交流プロジェクト主催で開かれた
昨日のシンポジウム「富士山を題材にした教育」は無事に終了しました。
職員で順番に聴いてきました。スタッフsは
静岡県立三島高校の小林設郎先生の
【報告】「教科の学習における富士山の教材化ー中規模撹乱による種の多様性維持の仕組みを学ぶ授業ー
を聴きました。
三島高校では、生物基礎と生物の時間に富士山五合目に生育するフジアザミを通して、撹乱による生態系の破壊と多様性の仕組みを学習しているそうです。
生物基礎で扱う「撹乱」という現象は破壊的なイメージであるが、視点を変えると生息する植物種の多様性を維持する不可欠な調節的機能を含むということを理解するということも学習の目標だそうです。
授業の展開としては「フジアザミが過酷な環境の富士山五合目でなぜ生育できるのか」「なぜ平地の穏やかなところに進出してこないのか」というふたつの問題提起をして、生徒にディスカッションさせ、その後解説をする、というやりかただそうです。
そして問題の答えは、「フジアザミはスコリア土壌でも根を深く張り水分補給を可能としている。根の発達により雪崩にあっても地下部が生き残り、生き続けることが出来る。」「温暖な麓で栽培しても育つが、他の植物と混植した場合には、競争に勝てずに枯死してしまう。」
雪崩のような中規模な撹乱が起こることで、五合目に進出してくる他の植物は死滅するが、フジアザミのような根部の発達した植物は毎年地上部を失うことがあっても生存し続ける。
という内容でとても興味深かったです。現地での野外授業でフジアザミの観察もしたりして、なかなか面白そうだなあ、と思いました。このように身近な題材を使い、自分の目で見て考えてみる授業が行われているということです。