今日ご紹介するのは、一見、何の変哲もない冬の富士山の写真です。
河口湖町の河口地区から撮影しました。
森林限界から山頂にかけて白く雪が積もり、沢には雪が落ち込んでいます。
尾根は、雪が強風に吹き飛ばされて地肌が見えています。
裾野は森が色濃く茂っているので、雪が積もっているようにはみえませんね。
実はここに、白髪白髭のおじいさんの顔が見えているのですが、お分かりになりますでしょうか?
先日開催した、富士山レンジャー富士登山机上学習会の参加者の方から教えていただきました。
どうです、見えてきましたか?
雪が山肌に描くこうした現象を『雪形』、といいます。
このおじいさんは「ふじ爺」、とでも名付けましょうか。
こうしてみると、ふじ爺は、私たちを暖かく見守り、なにか語りかけてくるようにも見えてきます。
富士山では特に、春、田植えの頃に見られる「農鳥」が有名です。
一口に「鳥」といっても、年によってあらわれるのは「鳳凰」だったり「ひよこ」(とくにサブレー風の)だったりします。
この農鳥があらわれると、北麓では田植えの準備を始めていたそうですが、今年はいつ、農鳥にお目にかかれるでしょう。
それまでは、ふじ爺が見守る北麓で、首を長くして春を待ちたいと思います。