12月下旬の冬至を過ぎ、少しずつ日脚が延びてくると、まだまだ寒いながらも、春の訪れを感じます。
さらに森に目をやると、目にも鮮やかな紅葉が、また春の訪れを教えてくれているようです。
早春に紅葉を見せる森。
スギの森です。
ラクウショウ(落羽松)やメタセコイヤといった秋に紅葉し落葉する針葉樹ではなく、私たちの身近にある、いわゆる普通のスギです。
スギは、常緑樹ですが、この時期、驚くほど赤く紅葉します。特に日当たりの良い木では、全体が真っ赤になって、他の樹種との境目がはっきりと見えます。
花粉症に悩む方には申し訳ありませんが、私はこのスギの紅葉を見ると、ああ春が来たんだなあと、感じるのです。
「スギの花粉で真っ赤なのよ!」
いえいえ、近づいてじっくり見るとどうもそうではないようです。
先端の雄花は、もうはちきれんばかりに花粉をたたえていますが、その下の葉が赤くなっているのがお分かり頂けると思います。
スギの他にも、サツキやナンテンなど冬になってから紅葉する植物も知られていますが、なぜ、冬から春にかけて紅葉するのか実はまだ解明されていないそうです。
そしてカエデなどの広葉樹とは違って、紅葉したからといってその葉が全部落ちてしまう、ということはありません。
世代交代するのは一昨年に生えた葉から。
この紅葉がまた緑葉に戻るとき、また改めて冬とのお別れを感じることでしょう。
花粉症のみなさま、あと少しの辛抱です。どうぞお体大切になさってください。