2013年12月25日

富士山の生い立ち その3 古富士火山(こふじかざん) [富士ビジターセンター]

富士山が形成された過程を数回にわたってご紹介します。

引用は山梨県環境科学研究所発行の

「日本一の火山 富士山」 荒巻重雄 太田美代 P50

http://www.yies.pref.yamanashi.jp/fujikazan/fujikazan.htm

なお、facebookのほうにも英語訳をつけて投稿しています。


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「富士山の生い立ち その3 古富士火山」

古富士火山の活動は、約10万年前に始まったと考えられています。

マグマの組成は玄武岩質ですが、山頂火口からの爆発的な噴火が繰り返されたのがこの火山の特徴で、

空高く噴き上げられた火山礫や火山灰は山麓に厚く広く堆積しました。

古富士火山の火山礫のほとんどは色の黒い玄武岩質のスコリアで、

140層もの堆積層が観察されています。

さらに、大量の火山灰は偏西風に乗って南関東にまで運ばれました。

この火山灰が時間とともに風化してできたのが、俗に赤土と呼ばれる粘り気の強い土で、

赤っぽい色は火山灰に含まれている鉄分が酸化したことによるものです。

関東ローム層のうち特に立川ローム層の大部分は古富士火山の噴出物です。

また、爆発的な噴火をするなかで、少なくとも5回の山体崩壊を起こしたこともわかっています。

岩屑なだれや火山泥流となって流れくだった堆積物は一括して「古富士泥流」と呼ばれ、

富士山西南麓の地形の基盤となりました。

この時代、富士山は噴火と崩壊を繰り返しながらも裾野を広げ、3000mを超える大きな火山へと成長していきました。

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