みなさん こんにちは! やまなしブランド推進プロジェクトチームの家登です。
「和服」と聞くと、「七五三」や「成人式」、「結婚式」で着るもの、と思う方も多いかも知れません。
私は、「七五三」や「成人式」、「結婚式」を終えても和服を装う機会があり(噺家ではありません)、このたび羽織を新たに発注することにしました。
あの、「羽織袴(はおり・はかま)」の羽織です。
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ところで、山梨県の東部、郡内(ぐんない)地方は、織物の産地。
最近は、古くから続く織物技術を生かし、様々なバリエーションによる、傘やネクタイ生地を生産しています。
もともとは、「甲斐絹(かいき)」と呼ばれる高級な絹織物が得意で、甲斐絹は、光の加減で玉虫色に輝きが変化するという特性があります。
(詳しくは、山梨県の特設サイト「甲斐絹ミュージアム」へどうぞ!)
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甲斐絹は、あまりの美しさのため、江戸時代は「奢侈(しゃし)禁止令」(ぜいたく禁止令のこと)で、着物の表生地としては使わず、裏側(裏地)でおしゃれをするために使われるようになりました。
今回、私もそんな裏地でおしゃれをしよう!という江戸期の気分を味わうため(?)、甲斐絹の染色から織りまで郡内地域の職人さんに制作をお願いすることとしました!
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構想6か月。デザイン図案は、今住んでいる山梨にちなんで2種で発注。
今回、職人さん方と相談の上、甲斐絹のうち「ほぐし(解し)」と呼ばれる製法で制作することとしました。
「ほぐし」は、仮織りした経糸(たていと)に絵柄を織る前に染めていきます(先染め)。
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先日、たて糸の模様付けを行いました!
【図表】 糸の染色作業(捺染、なっせん)
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このような作業を行います!
染色(捺染)の作業は、その技術の高さから全国各地より注文が寄せられる都留市の天野商店さん。
作業場の奥行がとても長い!!
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で、慎重に染め上げ、できた経糸がこちら。
【図表】 浮世絵風景画 「凱風快晴」の捺染第1段階(葛飾北斎 『富嶽三十六景』から)
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【図表】 「凱風快晴」 捺染第2段階 (まだ経糸だけですよ!)
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2つ目のデザインも、染色しました。こちらもも経糸のみです(乾燥及び分かりやすいように、新聞紙の上に乗せています)。
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【図表】 浮世絵風景画 「甲州石班澤(かじかざわ)」の捺染第1段階(葛飾北斎 『富嶽三十六景』から)
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【図表】 「甲州石班澤(かじかざわ)」 捺染第2段階 (浮世絵と同じく何回も刷ります。これも経糸のみ!)
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次回は、いよいよ織り作業(製織)です! おたのしみに!!(私だけ楽しんでいるかも、、、すみません)