こんにちは! 富士山レンジャーです。
前回の②服装・装備編1の続きです。
[服装・装備編]
6. ヘッドライト
夜、小屋で過ごす時、また御来光登山で日の出前に行動する時、各自のライトが必要です。その際、ライトは必ずヘッドライトを用意し、両手がフリーになるようにして下さい。手持ちの懐中電灯だと、岩場などで両手が使えなくなるし、落としてしまう危険もあります。
「新しく買う」という方は、LEDライトがお奨めです。電球タイプより明るくて消費電力が少なく、玉切れの心配もありません。
たまにですが、「本体だけを持って来て電池を入れて来るのを忘れた!」という人もいます。替えの予備電池も必ず準備し、自宅の準備段階で点灯チェックをしておきましょう。
7. 水
富士山には沢が無く、水は貴重です。一方で脱水症状や高山病の対策として水分補給は不可欠です。一人当たり1.5~2ℓは準備して臨みましょう。吉田口登山道の場合、登りは山小屋でも水の購入が可能ですが、下山道には山小屋が無いので、山頂を出発する前に必ず下山に必要な水を確保するようにして下さい。
8. ヘルメットについて
富士山は活火山であり、噴火のリスクを無視することは出来ません。山体膨張などを検知して噴火警戒レベルが引き上げられ、直ちに下山するという事態を想定しなければなりません。
特に吉田口登山道では、他の登山道よりも大勢の登山者がおり、これらの人が一斉に下山を余儀なくされます。登りルートを下りれば岩場ですし、下山専用路は砂利道で落石や転倒の危険が高いです。噴石も勿論危険ですが、こちらの方がより現実的に怖い話です。
また、噴火に関係なく、登下山道や御鉢巡りのルート等、落石の危険があるので、ヘルメットを着用するようにしましょう。吉田口登山道の場合、六合目安全指導センターにて、2千円のデポジットを支払えば、ヘルメットを借りれます。ぜひご検討下さい。
9. 防塵マスク、スパッツ
意外と大変なのが下りです。大勢が歩くので砂埃が舞いますし、靴に小石が入ったりしますので、防塵マスクと足回りのスパッツがあると安心です。マスクは万が一の噴火による火山灰対策の為にも有用です。
10. モバイルバッテリー
携帯・スマホやデジカメなど、今や登山にも電子機器が欠かせません。この時に心配なのが電池切れです。山小屋泊りでも大勢の人がいるので、充電はほぼ出来ない(出来たらラッキー)と考えた方が良いです。緊急で外部と連絡を取りたい時などの為に予備電池やモバイルバッテリーがあると心強いでしょう。
但し、モバイルバッテリーは注意が必要です。実績の無い怪しいメーカーの粗悪品だと発火の危険があります。また正規品であっても持ち運びや充電の際には、熱がこもらないように注意し、雨やペットボトルの水滴でショートしないようにし、衝撃も当たらないように注意する事が必要です。
次回、ルール&マナー・緊急対応編をお送りします。