こんにちは! 富士山レンジャーです。
多くの学校は夏休みに入り、夏本番! この夏、富士登山を計画されている方もいらっしゃるかと思います。ぜひ、しっかりと準備を整えて、安全に夏の富士登山を満喫して欲しいと思います。今回は服装・装備について気を付けておきたいポイントをまとめてみました。参考にしてみて下さい。
[服装・装備編]
1. 服装 「夏の富士山、暑いの?寒いの?」
一般的に標高100m上がると気温は0.6℃下がると言われています。そのため、平地(海抜0m)で35℃の猛暑であっても七合目(標高2,700m)辺りでは19℃、山頂では12℃と11月の東京の平均気温並みです。また朝晩は冷え込むのでもっと寒くなります。山頂の最低気温が5℃以下になることはよくあり、7月上旬や8月末以降だと氷点下になることもあります。
出典: 気象庁データベースより
では、五合目の登り口辺りでも避暑地のような涼しさがあるかと言うとそうでもなく、ここ連日の猛暑で脱水症状や熱中症にかかってしまう人もいます。従って、暑さ寒さに臨機応変に対応できる服装の準備が必要です。上手に防寒するためにも重ね着や組合せを上手にすると良いでしょう。
2. 日焼け・紫外線対策
紫外線量は標高が1,000m高くなる毎に10~20%増します。富士山六合目以上には森林が無く、晴れていれば陽射しを直接浴びることになります。長時間日焼けをすると肌は真っ赤になり、火傷のように痛くなります。たまに上半身裸でザックを背負っている登山者を見掛けますが、肩を日焼けするとザックが背負えなくなり、後で後悔することになるので、服装はよく考えましょう。
また、日焼け以上に気に掛けて欲しいのが、帽子とサングラスです。特に富士山では、日中登っている間、陽射しを背後から浴びる事になるので、後頭部を保護するようにした方が良いです。帽子は風で飛ばされないように流れ止めを付けましょう。サングラスは黒いかどうかではなく、UVカットの表示を確認し、隙間から光の入らないスポーツタイプがお奨めです。
3. 雨具の用意は確実に!
夏山の天気は変わり易く、朝の登り始めが良い天気でも、午後には積乱雲に覆われて突然の雷雨に見舞われるという事も良くあります。雨具は必ず準備すべきものですが、時折「折畳み傘を持っているから大丈夫」と言う人がいます。山での傘は強風で役に立たないばかりでなく、飛ばされると他の人への凶器となるのでNGです。レインウェアを準備しましょう。雨具は風よけにもなるので、すぐに取り出せる所にパッキングしておきましょう。
4. 吸湿速乾性のアンダーウェア
下着はとても重要です。日中歩いて汗を沢山かきますが、下着が濡れて乾かないと、夜あるいは雨で冷え込んだ際に急激に体温を奪い、酷い場合には低体温症の原因にもなります。綿100%のものは安価で汗もよく吸ってくれますが、乾きにくいので、ポリエステルなど吸湿速乾性の高い素材のものがお奨めです。
また、山小屋は非常に混み合うので、下着を交換するのを諦める人もいますが、山小屋に到着したら早めに交換して汗もきちんと拭くことが大切です。濡れたままの状態にならないようにして下さい。
5. 登山靴
運動靴でも登山は可能ですが、バランスを崩すと足首を痛めるので、踝(くるぶし)まで隠れるハイカットのトレッキングシューズがお奨めです。なお、暫く履いていない運動靴で登ったら、靴底が剥がれたというケースもあります。必ず事前にチェックしましょう
②装備・服装編2に続きます。