ここから本文です。
《アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ》2013年 アウルム期 ©Theo Jansen
山梨県立美術館で開催中の『テオ・ヤンセン展』。
テオ・ヤンセンはオランダ出身のアーティストで、彼が制作した巨大アート作品「ストランドビースト」を観ることができます。
テオ・ヤンセン
テオ・ヤンセンは、大学で物理学を学んだ後、画家に転向し、1990年より「ストランドビースト」の制作を開始しました。
アートと科学を融合した作品から、「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも称されています。
《アニマリス・オムニア・セグンダ》2018年 ブルハム期 ©Theo Jansen
ストランドビーストは、オランダ語で「砂浜の生命体」という意味で、プラスチック・チューブや、ペットボトル、粘着テープといった身近な材料を組み合わせ、物理学による計算に基づいて作られた、風の力で砂浜の上を歩く生命体です。
実際に動くストランドビーストの様子を展示室内で見ることができます。
まるで生き物のように動く巨大なストランドビーストは、迫力満点!
動画でご覧ください。(3点あります)
1.《アニマリス・オムニア・セグンダ》
体長12m。水を感知して方向転換をしたり、強風が吹けば転倒防止の杭をハンマーで打ち込むなど、
これまでの進化の過程で生まれたすべての機能を備えた最新シリーズ。
2.《アニマリス・アデュラリ》
体が尾を振って注意を引き付けている様子は、コミュニケーションを取っているよう。
3.《アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ》
400年に及ぶ長崎とオランダの友好を記念して制作された。江戸時代の帆船がモチーフ。
砂浜では、帆や羽が風を受けるとポンプによってペットボトルに空気を溜め、圧縮されたその空気をストランドビーストに張り巡らされたチューブに送り込んで動きます。
ペットボトルが胃袋であり、空気を溜める様子を「風を食べる」とヤンセンは表現します。
室内では、エアコンプレッサーからチューブに空気が送り込まれます。
胃袋にあたるペットボトル
ストランドビーストの脚
張り巡らされたチューブ。白く飛び出しているのは結束バンド。
ビーストの脚は、「ホーリナンバー」と呼ばれる比率で構成された脚の各部が往復運動や円運動をすることで前進します。
展示されている脚のパーツを回して、その滑らかな動きを確認することもできます。
脚のパーツ
驚くべきことに、すべてのビーストに設計図は無く、すべてヤンセンの頭の中で組み立てられているのだそう。
ヤンセンの作品は、制作を通じて新たな機能を獲得し、今なお進化を続けています。
本展では、他にもストランドビーストの実物展示や、作品の各パーツの紹介、模型や映像の展示もあり、
テオ・ヤンセンの神秘的な世界を体感できます。
《アニマリス・オルディス》2006年
自動車メーカーのCMのために制作されたビースト。
自分で実際に動かせる体験型の作品。
《アニマリス・ウミナミ》2017年
波打つ体を持つキャタピラ型のビースト。
プラスチックチューブの加工に使用する木型。
これによりパーツの形を決めるため、各パーツごとに木型を作っている。
くわしくは、ぜひ展覧会でご覧ください。この機会をお見逃しなく!
また、ミュージアムショップでは、ストランドビーストのミニチュア模型「ミニビースト」なども購入できます。
自分で組み立てたビーストが風を受けて歩く姿が楽しめます。
ストランドビーストのミニチュア模型
人気のミニビースト
『テオ・ヤンセン展』
※事前予約制
新型コロナウィルスの感染症対策のため、本展覧会は事前予約制となります。(外部予約サイトにて先着順での受付)
※くわしくは、山梨県立美術館の公式ウェブサイトをご覧ください。
ホーム > 「現代のダ・ヴィンチ」テオ・ヤンセンの~生きる巨大アート~の世界