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長い歴史が息づくお寺をお参りして、そこに刻まれた歴史の息吹を感じるのは、お寺巡りの醍醐味のひとつです。そしてもうひとつ、お寺巡りを満喫するのにおすすめなのが、情緒あふれる境内で行われている座禅や写経、宿坊への宿泊など、古き良き文化に触れる体験です。
山梨には由緒がありながらあまり知られておらず、京都や奈良に比べると、さほど観光客が訪れないお寺も多くあります。そんなひそやかに歴史を重ねてきたお寺で、ゆったりと文化を堪能できます。神聖なお寺でくつろぎながらの体験は、心まで穏やかにしてくれます。
日蓮宗の総本山として知られる身延山久遠寺がある身延山には、31の坊が点在しています。その歴史は古く、700年以上前から続く坊もあります。31の坊のうち、約20が宿坊として参拝者を受け入れていて、写経などを行っていたり、特産のゆばを使った精進料理などをふるまっていたりします。なかでもおすすめする体験は朝勤です。
身延山久遠寺の朝勤は本堂に数十人の僧侶が一同に介し、お経を読みお題目を唱えます。早朝の凛とした空気の中で行われるその様子は荘厳で、まさに心が洗われます。
また身延山の宿坊のひとつである覚林坊では、お寺の庭を眺めながら手間暇をかけて作られたゆば料理をいただける“おてらんち”を提供していて、厳かなお寺で気軽にランチを楽しめます。
ほかにも甲州市の恵林寺などでは定期的に座禅会が開催されています。山梨市の永昌院では毎年8月8日に子ども座禅会を開いています。また写経や読経などを体験できるお寺もあり、甲府市の甲斐善光寺では毎月25日に写経を行っています。
情緒あふれるお寺で日常とかけ離れた厳かな時を過ごす旅は、きっと特別な思い出になるはず。山梨の歴史あるお寺で、ゆったりとした素敵な時間を過ごしてみませんか。