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更新日:2020年2月27日
タグ:お取り寄せグルメ
山梨県大月市笹子町に蔵を構える「笹一酒造」。
東京都心から近く、国道20号沿いに位置し、笹子峠の大自然に囲まれた所にこの蔵はあります。
笹一酒造は1661年(寛文元年)に「花田屋」として創業し、のちに初代蔵元である天野久氏が1919年(大正8年)に「笹一酒造」と改名しました。昨年に改名後100周年を迎え、酒蔵としての歴史は300年を優に越す伝統ある蔵元です。
今回は、大月の老舗酒蔵である「笹一酒造」をご紹介いたします。
▲笹一酒造の杜氏を務める佐藤洋介さん。
佐藤さんは杜氏になってから、今シーズンが初造りとなります。
大学を卒業後、ものづくりをしたいという想いから笹一酒造に就職し、長年酒造りの現場に携わってこれらました。昨年に前任の杜氏から代替わりをいたしましたが、杜氏としての責任の重さを感じながらも、仕込みの時期は緊張感のある酒造りの現場で、厳しいだけではなく明るい雰囲気を作っていきたいという想いを語って頂きました。
日本国内での日本酒の消費量は年々減少しており、今後も減ることが見込まれています。
日本酒の酒蔵として生き残っていくために、笹一酒造では今から6年前の2013年、純米以上の酒に特化した酒造りへと方針を切り替えました。
「本当に美味しい日本酒を造りたい」という想いから、今までの機械を使った大量生産方式を撤廃し、日本酒造りにおいて肝となる「麹造り」を全て手づくりに変えました。
麹を全て手づくりしている蔵は他にもありますが、笹一酒造のような規模の酒蔵で麹を手作りするというのは珍しいそうです。
麹を手作りにすることによって、人の目と手が入るので、夜中でも麹の状況をチェックして、麹のコントロールがより細かく出来るのだそうです。
それにより、その米の魅力を最大限に引き出せるのではないかと考えています。
▲笹一酒造の麹室。ステンレス製の壁と木製の壁と、全部で4つの麹室があります。
木製の麹室は良く乾いた麹が造れ、ステンレス製の麹室は衛生管理や温湿度管理がしやすいという特徴があります。
笹一酒造の醸造のこだわりとして、最新式の洗米機2台により10kg単位で洗米をしています。この工程でどれだけ米を綺麗にするか、どれだけ米に水を吸わせるかが日本酒造りにおいて重要であるため、時間と人手をかけて、米を水につける時間も10秒単位で管理をしています。純米大吟醸のみではなく、笹一酒造で造る全ての日本酒に対して、このような細やかな吸水管理がされています。
▲最新式の洗米機
笹一酒造では、自社精米をしています。
入荷した米を見て削り方を決めています。大吟醸のように35%まで削る場合は、精米に約5日間かかるそうです。ちなみに、削った米ぬかは、自社で持っている葡萄園の肥料や、契約農家さんへの肥料として再利用されています。
笹一酒造で使われている水は、自家井戸から湧き出る富士山の天然水です。
この地は昔、水飛脚が江戸城でお茶会をする際にこの水を運んでいたとされる銘水です。
また明治天皇が京都にご行幸の際に携行する水として選ばれた「御前水」と呼ばれる由緒正しい仕込水です。
この水で酒を仕込むことにより、やわらかく、すっきりと綺麗なお酒に仕上がるのだそうです。
使用している酒米も地元山梨県産の「夢山水」や「山田錦」を主として使っています。
「夢山水」は、香りが爽やかで白い花のような香りがあり、すっきりとした酒に仕上がるのだそうです。また夢山水は栽培する上で山梨県の気候にも合っているのだとか。
笹一酒造が目指す酒は、濃厚で芳醇さをもちながらも、食中酒として香りを抑えて食事の邪魔をしないやや辛口のお酒です。特にお勧めなのは、「夢山水」を使った純米吟醸です。
すっきりときれいな香りの中に、ほんのりフルーティーな米のコクを感じるお酒です。
是非常温で召し上がっていただきたいお酒です。
笹一酒造では、今後は米農家さんと協力をして「亀の尾」や「五百万石」も造っていくことを考えています。「亀の尾」は希少種であり、栽培することも、酒造りをすることもとても難しいと言われています。この米を使うことによりとても個性的な酒に仕上がるとのことです。今後どのような酒が誕生するか楽しみですね。
笹一酒造に隣接している売店「酒遊館」では、広々とした店内に笹一酒造で造られた日本酒の他、笹一酒造のワインや焼酎、梅酒が並び、試飲もできます。
その他、山梨のお土産なども販売されています。
売店には、カフェも併設されており、ここではうどんの他、数量限定で粕汁定食もあります。
食事の後は、ここでしか味わえない「吟醸ソフトクリーム」を是非ご賞味ください!
アルコールは入っていないので、お子様でも安心してお召し上がりいただけます。
酒粕の風味がまるでチーズのようなコクを生み、濃厚でとても美味しかったです。
国道20号沿いにあり、アクセスも便利な場所にある「笹一酒造」。
旅の帰りにはぜひ「笹一酒造」に立ち寄って、山梨の名水で仕込まれた美味しい日本酒をお土産にするのはいかがでしょうか?
また笹一酒造のお隣には、笹子の土産として知られる銘菓「笹子餅」の直売店があります。
こちらも旅のお土産としてお勧めです。
▲余談ですが・・ここではこんなレトロなレジスターが使われています。
(注意:レシートは出ないそうです)
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ホーム > 旅の土産にも最適!甲州夢山水を使った純米吟醸が人気の老舗酒蔵「笹一酒造」