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更新日:2020年11月6日
丹波山倶楽部が中心となって創り上げる村の特産・原木舞茸。大きさ・重さ・色艶のどれをとっても普段私たちがスーパーで目にする舞茸とは一線を画すインパクト! 東京の有名レストラン他、全国のファンが心待ちにするという舞茸の収穫期は秋の約3週間だけ。その最盛期に現地を訪れると、収穫・発送・加工に村の人が集まり、お祭り前夜のような賑やかな作業風景がありました。
台風14号が接近する日本列島。午後から雨予報のとある平日の午前、黒いネットを張った圃場で、せっせと大きな黒い株を収穫する男性がふたり。近づいてみると、土の上に敷き詰められた落ち葉の上に顔を出すのは、大きくて美しい舞茸の姿。
「舞茸の菌をつけた木が埋めてあるんです。その菌が土の中に広がることで、地面から舞茸が生えてきます。どこにどれくらい出てくるかは、わからない。収穫期は10月の3週間ほどで、終わったらまた来年の準備をします」
こう教えてくれるのは、丹波山倶楽部・酒井隆幸さん。丹波山村で生まれて中学までを過ごし、進学のために上京して30歳手前でUターン。幼馴染の青栁雄大さんと生まれ育った丹波山村で農業法人を設立します。
年々ブランド価値が高まる丹波山村の原木舞茸。その生産の取り組みは村にとって決して新しいものではなかったそう。
「もともと父が舞茸を生産する組合にいて、僕も冬の時期などに手伝いをしていました。ただ、その頃はご年配の方の趣味の農業のような感覚。大人になって村に帰ってきて、『これは凄い』と改めて思ったんです。それで外に向けての売り出しを始めました」
8年ほど前にテレビ番組で取り上げられたことをきっかけに、知名度は急上昇。料理のプロを始めリピーターが多く、予約発送でほぼ完売してしまうといいます。
「特徴は、まずは原木栽培を行なってこその日光を浴びた色! この黒い舞茸をつくりたかったんです。とは言え、直接日光を当てると成長が止まってしまいますから、遮光率を考えながら大きく肉厚な舞茸を育てられるように工夫しています。土の上に敷き詰めた落ち葉は、泥はね防止。雨が降ったときに地面の泥が跳ねて、カサの裏が汚れてしまわないように、というものです」
作業場を訪れると、発送に向けた作業や加工品を作るための作業など、村の人が大勢集まり祭り前夜のような賑わいに。丹波山倶楽部では、収穫したその日に発送する原木舞茸の他、カサを割いて乾燥させた乾燥舞茸などの加工品を生産しています。
「原木舞茸は香りと旨味の強さが独特。火を入れてもシャキシャキとした食感が残ります。最も美味しい状態で届けられるように、収穫したらその日に発送や加工することを徹底。この時期は朝から晩まで収穫をして、眠る直前まで作業をしていないと間に合いません」
と話す酒井さんは、7年前から担い手のいなくなった新聞配達を請け負ってもいるそう。どれだけ夜が遅くても、朝5時から知人と二人で新聞配りをしているというので驚きです。
青柳さんとともに、年に一度の収穫のために、毎年少しずつ植え方を変えたり、量を増やしたり、“もっといいものを”と研究と改良を続けている原木舞茸栽培。
「土の中の水分量や気温を計測して、より多く出るような畑を作ることが今の目標の一つ。生産量を増やすことで、村の雇用につなげることもできますので。それと、美味しい舞茸を通年楽しんでほしい。加工品の開発にも力を入れていきたいと思っています」
丹波山村の原木舞茸。食卓の主役になる感動の味覚に出会ってください。
■今回ご紹介した施設情報
・施設名:丹波山倶楽部(たばやまくらぶ)
・代表者:青柳雄大/酒井隆幸
・施設住所:〒409-0301 山梨県北都留郡丹波山村 1961
・電話番号:0428-88-0223
◎この記事を書いた人
小栗 詩織(おぐりしおり)
コピーライター/2015年10月よりフリーランスとして活動。県内外の企業の広告企画・SNS運用・コピーライティングに携わる
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