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更新日:2021年5月28日
勝沼町にある東夢ワイナリーは、2007年に産声をあげた気鋭のワイナリー。勝沼町出身のワイナリー代表・髙野が耕作放棄地となってしまった故郷の畑をみて一念発起。「なんとかしなければ」と荒れた畑を請け負い、ぶどうの栽培に着手したことをきっかけにスタートします。甲州やマスカット・ベーリーAを用いた山梨らしいワインの製造はもちろん、蒸留による新カテゴリーのお酒の開発が東夢ワイナリーの特徴でもあります。今回は、昨年9月に新たに誕生した「momonchu」を紹介します。
販売開始以来、じわじわと注目度が高まっている「momonchu(モモンチュ)」。ブランデーなのに無色透明の軽やかな見た目。アルコール度数20%のすっきりとした味わいという「momonchu」は、桃のワインを蒸留してつくられる桃のブランデーです。
「弊社はぶどう畑を持つワイナリー。もちろん製造のメインはワインです。『momonchu』誕生のきっかけは、ぶどう以外の果物で、何か面白い製品は作れないかと考えたこと。これまでにも弊社は『葡蘭酎(ぶらんちゅう)』という、ブランデーにワインをブレンドしたお酒を製造しており、蒸留機を備えるワイナリーでもあります。そこで、蒸留機があるのであれば、山梨の果物でブランデーを作ろうと、開発が本格的にすすめられました。
こう聞かせてくれるのは、山梨に移住して2年目という製造部の五十嵐樹さん。風土を生かしたもの作りのチャレンジを続ける東夢ワイナリーの姿勢に共鳴し、ここでワイン造りがしたいと飛び込んだそう。
きっかけは、せん孔細菌病の被害が地域の桃農家をおそったこと。桃の表面に黒い斑点があらわれるこの病気によって、大量の桃が出荷できずに捨てられてしまう状況が起こりました。
「捨てなければいけない桃を原料として使えたらいいな、と思いました。そうすれば農家さんも助かるし、食品ロスの観点からももったいなくありません。もともと弊社は荒れたぶどう畑をなんとかしたいと、代表の髙野が素人ながら始めた若いワイナリー。廃棄しなければいけない桃と地域の農家さんの助けになりたいというのは、ワイナリーの根幹に流れる“想い”の部分で重なるものだと思っています。」
収穫された桃でワインをつくり、それを蒸留することで透明のブランデーが出来上がります。
「『momonchu』は桃以外、何も加えていません。蒸留しても桃の香りはしっかりと残っており、甘い桃の香りを楽しむことができるブランデーに仕上がりました。すっきりとした味わいなので、暑い季節にもぴったりのお酒だと思います。」
ふんわりとした桃の香りとすっきりとした味わいで、普段はあまりブランデーを飲まないという女性にもオススメな「momonchu」。パッケージデザインにもこだわりが見られます。
「momonchuが透明である事を生かして、他製品にはないパッケージデザインを目指しました。透明の箱に、ボトルと、文字が印刷されたフィルムを入れ、面白い視覚効果を狙っています。羅列のような文字には、開発者の想いを込めたメッセージが隠されていたりもします。また、ボトルには桃ともおしりとも見える形のものを採用しました。背面の文字を工夫して、「TOUMU」のTがセクシーに見えるようにデザインされています。ただ美味しいだけじゃない、クスッと笑えたり、面白がったりしてもらえる仕掛けが何か必要なんじゃないかな?と。実際、手土産にも喜ばれているそうです。」
そのままロックで楽しむのはもちろん、ソーダ割ってハーブやレモンを加えてみるのもオススメの飲み方だそう。
「山梨は都心からのアクセスも良く、恵まれた自然環境と美味しい果物やお酒がある土地。東夢ワイナリーが主導となり『勝沼ワイン村』を立ち上げたことで、弊社の周りにはオーナーの異なる小規模ワイナリーが現在7軒集まっています。それぞれのワイナリーの個性で刺激し合って、山梨の魅力を発信できる施設になっていければと思います。」
■今回ご紹介した企業情報
・企業名:東夢ワイナリー(http://toumuwinery.com/(外部リンク))
・製造部担当:五十嵐 樹(Itsuki Igarashi)
・施設住所: 〒409-1316 山梨県甲州市勝沼町勝沼2562-2
・電話番号:0553-44-5535
◎この記事を書いた人
小栗 詩織(おぐりしおり)
コピーライター/2015年10月よりフリーランスとして活動。県内外の企業の広告企画・SNS運用・コピーライティングに携わる
特産品の果物や伝統工芸品だけではなく、ワインや地酒など山梨の美味しいが揃っています。
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