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更新日:2024年5月31日
「ほうとう」は山梨県民のソウルフード。山梨には、物事がうまく進んだときに「うまいもんだよ、かぼちゃのほうとう」という言い回しがあるほど、みんなに親しまれている郷土料理です。栄養満点で体がぽかぽか温まるので、寒い冬はとくに美味しく感じられます。今回は、甲府、勝沼、富士五胡、富士川、身延の各地域でほうとうを楽しめるお店をご紹介。お店によって汁の味や具材が違うので、いろいろ食べ比べてお気に入りを見つけませんか。
「ほうとう」は山梨を代表する郷土料理。小麦粉を練った平打ち麺に、かぼちゃや芋類、きのこ、季節の野菜、肉などの具材を加えて、味噌仕立ての汁で煮込む素朴な料理です。古くは戦国武将、武田信玄が陣中食にしていたとも伝えられてきました。
家庭では大鍋で作ることが多いですが、お店では1人分ずつ鉄鍋で提供されるのが一般的です。打ち粉がついたまま煮込むので、汁にとろみがつき、麺とよくからむのが特徴。麺のモチモチ食感や風味豊かな汁は一度味わうとやみつきになります。
【ほうとうの作り方】
水を入れて小麦粉を練ります
伸ばして約1cm幅に切ります
味噌をといて野菜と一緒に煮込みます
八ヶ岳の湧水と、山梨県産のシルクパウダーを麺に練り込んだ「甲斐絹宝刀(かいきぼうとう)」。山梨の地場産業である絹織物と郷土料理を掛け合わた山梨ならではのほうとうです。
麺につやつやとした上品な光沢があり、なめらかな食感が特徴です。必須アミノ酸を含む18種類のアミノ酸を含み、美容や健康面でも注目されているシルクですが、ツルツルとしたのどごしがヤミツキになりそう。甲州地鶏とたっぷりの野菜、甲州みそで味付けされたほうとうを、ぜひご堪能ください。
一番人気は、小林牧場で育てた甲州ワインビーフの牛すじを使用した「甲州ワインビーフ牛すじほうとう」。
白味噌とカツオだしを練りこみ熟成させた自家製の麺に、甲州ワインビーフの牛すじの甘さが溶けた白だしスープがしっかりと絡む最高の逸品です。
通常のほうとうに飽きたと感じる方はぜひ味わってみてください!ほうとう感が変わるかもしれません。
天然素材にこだわった自然の旨みを感じるほうとう!
トロトロに煮込まれたかぼちゃと白菜からは野菜の甘さが十分に感じ、スープはその時々の美味しさを最大限に引き出すよう産地にこだわった昆布、かつおの旨みが溶けています。
ほうとうには珍しい腰のある麺は、スープの旨みに負けず噛めば小麦しっかりと感じ、いつ食べても新しい発見のある最高のほうとうです!
ホクホクで素材感のあるかぼちゃ、ジャガイモ、さといもが煮込まれたトロミのあるザ・ほうとう。山梨県人なじみの平打ち麺ですが、しっかりと腰があります。
歩成ならではの隠し味、山梨名産あわびの肝と、京都の老舗専門店だしの旨みは、秘伝の黄金味噌で作られたスープを引き立てます。スープは麺との相性が抜群でおススメほうとうです!
甲府駅南口から徒歩3分の好立地にある1941年創業の老舗。昭和の風情を残した店内は落ち着ける雰囲気で、地元の人にも出張のビジネスパーソンにも愛されています。名物のほうとうは注文をうけてから作るため30分かかりますが、じっくり煮込んで数種類の野菜の旨みが溶けこんだ汁の美味しさは格別です。
また、同店は「おざら」発祥の店としても有名。おざらとは、ゆでたほうとうの麺を冷水で冷やし、しょうゆ味の温かいつゆで食べるもので、夏もさっぱり食べられます。寒い季節は平日限定の温かいおざら「ゆもり」も人気です。
1941年創業の老舗の名物の「ほうとう」
ゆでたほうとうの麺を冷水で冷やした「おざら」
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「ちよだ」の他に甲府市内でほうとうが食べられるお店は以下から確認できます。
築130年以上の古民家を利用した行列のできる人気のほうとう専門店。自家製味噌と自家製だしにこだわり、香り高くコクのある味噌は、入手が難しく「幻の大豆」と言われている身延町のあけぼの大豆を使って約10か月間熟成したもの、だしは北海道産利尻昆布やなどを使って化学調味料を一切使わず毎朝とっています。その他、野菜などの食材に関しても、地産地消を目指し市内の農家さんから仕入れているので、新鮮なものばかり。
ほうとうメニューは、野菜・きのこ・鶏肉・豚肉・特製の5種類で、どれも品のあるやさしい味わい。建物は登録有形文化財でもあり、待ち時間には美しい庭も散策できます。
自家製の味噌とだしにこだわった「ほうとう」
登録有形文化財に指定されている建物
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標高1300メートルの御坂峠にある1934年創業のほうとう屋。富士山と河口湖の絶景が一望でき、過去には太宰治や井伏鱒二などの文人も滞在しました。「富士には月見草がよく似合う」で知られる太宰治の小説『富嶽百景』の舞台でもあり、2階には太宰治文学記念室が併設されています。
ほうとうメニューは、「ほうとう鍋」と「きのこほうとう鍋」の2種類。10月末~11月頃は「きのこほうとう鍋」に山梨県産の特大の天然なめこが入ります。河口湖分店「峠の茶屋」もあります。
(※冬期は天候により休業する日もあり。太宰治文学記念室は冬期休業)
太宰治、井伏鱒二も愛した「ほうとう」
この絶景を見に来られるリピーターもいるそうです
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ほうとうメニューは「不動ほうとう」1種類のみで勝負。自家製のコシのある麺を、かぼちゃや山菜など富士山麓の味覚と一緒にじっくり煮込んでおり、素朴で家庭的な味わいにほっとします。お好みでピリ辛の「不動秘伝の薬味」を加えれば味の変化も楽しめます。
河口湖北本店をはじめ、河口湖南店、河口湖駅前店、東恋路店と河口湖周辺に4店舗を展開。それぞれ店の雰囲気が違い、本店は古民家風、東恋路店は富士山にかかる雲をイメージしたおしゃれなデザインです。
富士山麓の味覚を楽しめる「不動ほうとう」
目を引く外観の東恋路店
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富士川町十谷地区には、ほうとうに似た郷土料理の「みみ」があります。みみとは、小麦粉を練って農具の「箕(み)」に似せた三角形の麺を、季節の野菜などと煮て味噌で味付けした料理。やさしい味わいとモチモチ食感がたまりません。同店では「みみ」(単品)や「みみ御膳」(要予約)を楽しめます。
名前の由来は福をすくいとるという意味をこめた「福箕(ふくみ)が転じた」とか「耳のかたちに似ているから」など諸説あります。つくたべかん自慢の味を、地元のお母さんが丁寧に教えてくれる、みみ・そば・味噌などの手作り体験教室があります。
ここでしか味わえない特製メニュー「みみ御膳」
みみ・そば・味噌などの手作り体験ができます
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1972年創業、石和温泉街でも指折りの郷土料理の老舗です。人気のほうとうは、昔ながらの地粉を使ったコシのある手打ち麺を合わせ味噌の特製スープに合わせ、注文を受けてから鉄鍋で15~20分じっくり煮込みます。定番の「ほうとう」以外に、海老・納豆・カレー・しるこ・猪・鴨など、変わり種ほうとうも勢ぞろい。
さらに話題の笛吹市新名物「ラーほー」(下記も参照)も楽しめます。「ラーほー」とは、ほうとうの麵をラーメンのスープで食べる笛吹市の新ソウルフード。濃厚な醤油味とすっきり塩味の2種類から選べます。
コシのある手打ち麺を使用した定番のほうとう
笛吹市新名物、ラーほー
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この他にも山梨県内各地にこだわりのほうとうが食べられるお店がたくさんあります。詳しくはこちらから!
笛吹市を訪れたらぜひ食べたいのが新名物の「ラーほー」です。「ラーほー」とは、ほうとうをラーメン感覚で気軽に食べてもらおうという想いから、市と飲食店、料理研究家が協力して発案した“ほうとう麺を使用したラーメン”です。店によって味が違うので食べ歩くのもお楽しみ。提供店は以下から確認できます。
富士川流域の郷土料理を楽しめる食堂。峡南地域ではほうとうを「のしいれ」や「のしこみ」と呼ぶことがあり、同店では「のしいれ」の名で提供しています。
身延町特産の「あけぼの大豆」を使った手づくり味噌は甘みが強く、太さや長さにばらつきのある極太の手打ち麺と相性抜群。まるで田舎のおばあちゃんが作ってくれたような懐かしさを感じる味にほっとします。ほかに「おざら」や竹炭を練り込んだ「竹炭おざら」もあります。
この食堂がある、なかとみ和紙の里には、美術工芸品を展示する「なかとみ現代工芸美術館」、紙漉き体験工房「漉屋なかとみ」、おみやげ処「紙屋なかとみ」もあり、食事の他にも楽しめます。
身延町特産のあけぼの大豆を使用したのしいれ
地元の組合がつくった竹炭パウダーを練り込んだ竹炭おざら
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ホーム > 山梨の郷土料理「ほうとう」の魅力とは?県内の美味しいお店を紹介