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更新日:2023年7月15日
山梨県北杜市は、四方を八ヶ岳や南アルプスなどの日本の名山に囲まれた地域で、豊かな自然やきれいな水資源が特徴の地域です。
そんな北杜市には、数多くの美術館、博物館、芸術文化施設があることをご存じですか?
これらは北杜市が誇る地域資源であり、文化・魅力の向上や観光資源の価値としても期待されています。
2023年4月には北杜アート協会が設立。2023年6月24日には、北杜市の美術館を周遊するアートバスイベント「HAU(HOKUTO ART UNDULATION)」が開催され、各施設の“特別”なコンテンツを体験できるツアーが開催されましたので、その様子を紹介します。
北杜アート協会の設立を機に、市のアートツーリズムの更なる振興のため、市内の美術館を巡るアートバスを試験的に運行し、特別なコンテンツを体験できるスペシャルツアーを実施しました。ネーミングのUNDULATIONは、英語で「うねり」を意味し、北杜市の美術館や風土を巡りながら感じることで、行動や意思が大きな「うねり」となって新しい価値を生み出す願いが込められています。
「HAUスペシャルツアー」は、小淵沢駅から始まり、清春芸術村⇒素透撫 stove(レストラン)⇒平山郁夫シルクロード美術館⇒中村キース・へリング美術館を巡るツアー。
ゲートの先に見えるアーティストのための創作の場「ラ・リューシュ」。広大な敷地内には芝生の広場が広がっており、美術館をはじめ様々なアート作品に出会えます。
広い敷地内でひと際目立つラ・リューシュ
大きな石の彫刻と自然石の太鼓橋
バスから降りると目の前には大きな石の彫刻が。普段は渡ることができない自然石の太鼓橋を渡りながら写真撮影。それ以外にも、老朽化により取り換えられたエッフェル塔の階段の実物へ登ることも…
それ以外にも、ツアーの参加者は普段は入出することのできない「茶室 徹」で、実際にお茶を楽しんでいました。
エッフェル塔で実際に使用されていた階段
(二十四分割された一部)
茶室 徹でお茶を楽しむ特別な体験
清春芸術村に隣接する創作フレンチのレストラン。文人画家・小林勇の旧宅を鎌倉より移築し、新素材研究所/杉本博司+榊田倫之が内装設計を手掛けた特別な空間です。
旧家の構造を活かした特別な空間でランチ
厳選したオーガニック食材を中心として、季節に合わせた身体に優しく美味しい料理を味わえます。
旧家の構造を生かした解放感と緊張感を併せもつ店内で、料理を楽しみました。
日本画家平山郁夫氏が収集した美術品約9,000点を順次展示しており、日本文化の源流を求めて、シルクロードが通る国々を取材した記録が垣間見れます。
シルクロードの連作絵画が一面に
ツアー実施時には特別企画展 中国巡回展帰国記念「崑崙の西から」を開催。ガンダーラの仏像や中央アジア、西域の陶器やガラス器などの選りすぐりの名品が展示されており、シルクロードを通じて日本に伝わるまでの歴史、それぞれの国の文化を感じることができました。
また、当日は特別なコンテンツとして、普段はガラス越しにしか見ることのできない平山郁夫氏直筆のスケッチブックや海外取材の記録集を、参加者の目の前で、館長自らがお披露目しました。
2階には自然を感じる開放的なカフェ
普段はケース越しにしか見られない
平山郁夫氏のスケッチブックや取材資料
自然の中に佇む独創的な建築の美術館に入ると、ガラッと世界が変わります。
最初に目に入る「LGBTQ+」を表すネオンの光
独創的な世界観を説明を受けながら観覧
「混沌から希望へ」というテーマをもとにキース・へリング作品を展示している美術館では、ストリート・アートから独特なビジュアルコミュニケーションを確立し、社会へ向けたメッセージを現代に伝えています。
参加者は美術館スタッフの案内で館内を巡り、独創的なキース・へリングのアートの世界に浸っていました。
館外で我に返る時間も
自然の中にある美術館ならでは