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更新日:2021年7月20日
桃の生産量日本一の山梨県。中でも笛吹市は桃の一大生産地。
そこで笛吹市を拠点とするJAふえふきが今年6月から稼働を始めた県内最大級の集出荷施設、「御坂統合共選所」を見学してきました。
中央自動車道一宮御坂インターから約3分、県道を御坂中心部に向かって車を走らせると、巨大な施設「JAふえふき御坂統合共選所」が左手に見えてきます。「共選所」とは、「共同で選果する所」の略で、地域内の農家から果実を集め、共同で選果(糖度や大きさに応じて格付け)してパッケージングを行い、市場に送り出す施設です。
笛吹市御坂町にある約600軒の桃農家が丹精込めて作った桃を1か所に集約することにより、迅速かつ正確に、新鮮なまま市場に送り出すことができます。
朝6時頃から桃が入ったコンテナを満載した軽トラックが次々とやってきて、桃が運び込まれます。8時前には場内に渋滞が起こるほど。
荷下ろし待ちの軽トラックで混み合う場内
搬入口に運び込まれた桃のコンテナ
コンテナから検査員が桃を1つずつ手に取り、まずは目視で傷の有無や不整形のものなどを見極め、規格外の桃を除外。
異常がない桃はバーコードが付いたトレーに1個ずつ乗せられます。
検査員がプロの目で選別
1個1個バーコードの付いたトレーに乗せられる
桃を乗せたトレーは、高速のコンベアーの上を滑るように流れていき、2種類の光センサーを通過します。最初のセンサーで桃の糖度を測り、次のセンサーでは大きさと着色度をチェック。ここで瞬時に等級・階級が決まります。
光センサー本体
例えば最もポピュラーな品種「白鳳」の等級は、糖度が12度以上、形は真ん丸、着色度も良い特上ランクが「大糖領」(※)です。これに次ぐ上ランクが「青秀」、並ランクが「赤秀」と、3ランクに分けられます。また、階級の数字「13」「15」「16」・・・は大きさを表し、出荷される5キロ箱に何個入るかで表示されますので、「13」とあれば5キロ箱に13個入る大きさとなります。これらの情報はトレーに貼ってあるバーコードに瞬時に記録されます。
そのスピードは…… 動画でご覧ください。
動画:高速でセンサーを通り抜ける
トレーは更にレーンを流れて行き、「詰め子」と呼ばれる箱詰め係のもとへ。
等階級の情報がバーコードに記憶されており、レーンの各所にあるセンサーがバーコードの情報を読み取ることで、等級ごと、大きさごとに自動的に仕分けられて行きます。桃1個1個が微妙に大きさや形が違うので、箱にキレイにピッタリと収めるのには相当なコツが必要です。
詰め子による箱詰め作業
大糖領13サイズ
桃がピッタリと収まった箱はレーンを流れていき、フタをされて、大型トラックに積み込まれて国内各地に運ばれて行きます。ここでは2個入り、4個入り、3キロ箱、化粧箱入りなど、市場の求めに応じて様々なパッケージの商品も対応しています。
トラックに積み込まれ各地の市場に
黄美娘6個入り
新鮮で美味しい桃をスピーディに市場へ送るのが共選所の役目です。もし、桃売り場で「大糖領」を見かけたら、ぜひお手に取ってみて下さい。
きっとご満足いただけるはずです。
(※)等級の「大糖領」はJAふえふき御坂地区のブランド名称です。
取材・文/中村