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更新日:2020年4月27日
タグ:お取り寄せグルメ
今では清里を代表する観光スポットとなった「萌木の村」
この「萌木の村」の中心にある「ROCK」は、今からさかのぼること48年前、舩木上次氏(萌木の村株式会社代表取締役)により創設されました。清里開拓者であるポールラッシュ博士のフロンティア精神を引き継いだ舩木氏は、「清里で日本一のビールを造る!」という思いから1997年、熟練した職人を清里に呼び寄せ「ROCK」地下に萌木の村のブルワリー(ビール醸造所)である「八ヶ岳ブルワリー」を誕生させます。
一流のビール職人によってこの清里で造られた真のクラフトビールは、今では世界で高い評価を得て、多くの方々に愛されています。今回はこの「八ヶ岳ブルワリー」にお話を伺ってきました。(取材:2019年5月)
「とことん美味しいビールを造る!」
その思いを実現したジャーマンスタイルのラガービール
初代八ヶ岳ブルワリー醸造長 山田一巳氏は「一番搾り」や「ハートランド」を世に送り出した、日本屈指のビール職人です。八ヶ岳ブルワリーの「タッチダウン」ビールはこの熟練した伝説の職人である山田氏の手によるものです。
「とことん美味しいビールを造る!」 その思いから、繊細な日本人の舌に合うビールを探しに、実際にドイツまで行き、何度もテイスティングを重ね、味や香りを確認しながら材料を厳選してきました。そのこだわりの材料は今でも変わらずに引き継がれています。
ジャーマンスタイルとは、一切添加物を入れず、麦とホップと水のみで造るビールであり、八ヶ岳ブルワリーではドイツから輸入した酵母、カナダやドイツ産のモルト(麦)、ドイツ産とチェコ産のホップ、そして八ヶ岳の伏流水を使い仕込んでいます。
こうして出来上がったビールが「ピルスナー」や「デュンケル」といった「タッチダウンシリーズ」。
面白いのは、全く同じ材料を使っても、水が変わることにより全然違う味になること。
八ケ岳の伏流水は塩化物が少なく、飲み口や口当たりがよいのが特徴。体内にすっと溶け込むような感じであり、八ヶ岳の伏流水で仕込まれたビールは雑味のないすっきりとした味になっています。
そのため、八ヶ岳ブルワリーのビールは、他のクラフトビールに比べて断トツに飲みやすい仕上がりになっています。このすっきり感を出すにあたり、大手ビールメーカーでは出来ない、小ロットだからこそ実現する手間暇をかけています。
モルトのコクや重みを出すことに重点を置いたドイツの伝統的な方法に習い、手間暇をかけながらモルトのデンプンを糖に変えていきます。また酵母の力を引き出すことが出来るよう、日々酵母の状態を確認し、酵母と対話をしながら香りを確認してビールの熟成を待つのです。
こうした手間をかけてビールとじっくりと向き合ったビール造りは、まさに全工程を少人数で管理し、小ロットで造る八ヶ岳ブルワリーだからこそ出来ること。
そして、大手ビールにはない特徴として、八ヶ岳ブルワリーのビールは非加熱・無濾過で造られた、酵母がビールの中で生きている「本物の生ビール」であることが挙げられます。
市販のビールは酵母が入っていない為、常温保管でも持ちは良いですが、酵母が生きているタッチダウンは冷蔵保管が原則で、賞味期限は3ヶ月と短くなっています。
1日でも常温に戻しただけで味が変わってしまうほど、繊細にできています。
そのため、鮮度が命の生ビールを一番美味しく飲むお勧めの方法は、樽から直接提供される、ここ「ROCK」で飲むことです。
「ROCK」店内にある樽。地下にある醸造タンクから数メートルの距離にあり、新鮮なビールが頂けます。
「萌木の村」公認キャラクターの「もえすけ」と菱丸。
「八ヶ岳ブルワリー」のビールはここ数年世界で高い評価を得ています。
「ROCKでビールを味わって欲しい」という思いが強かった初代醸造長の山田氏は、コンクールに出すことも、外で販売することも懐疑的であったそうです。
しかしながら、もっと世の中の人に「八ヶ岳ビールタッチダウン」を知ってもらいたいという思いから、2015年よりコンクールに出品し、軒並み世界的な賞を数々獲得しています。
2015年 「プレミアムロック・ボック」インターナショナルビアカップボック部門 世界第1位
2016年 「清里ラガー」ワールドビアアワードRice Beer部門WORLD’s BEST 世界1位
2017年 「ヴァイス」 インターナショナルビアカップヴァイツェン部門 世界1位 金賞受賞
新しい時代の新感覚ビール
再生「ROCK」が目指す次の時代
2016年8月、深夜に発生した火災により、「ROCK」の店舗が全焼するというとてもショッキングな事件がありました。清里を代表する観光スポットで起きた火災に、多くの人々が心を痛めたことはまだ記憶に新しいことと思います。
この火災により八ヶ岳ブルワリーでもタンクの一部が破損するという事態になりました。
あの事故から1年もたたない2017年の6月、「ROCK」は新店舗をオープンし、見事に再生を果たします。
さらにその再生から1年がたった昨年2018年、新しいタッチダウンを象徴するような限定醸造ビール「ロックンロール・ボック」と「ケルシュ」も発表されました。
そして今年、令和元年6月9日のロックの日に、また新たなビールが2つ誕生いたします。
それは、
地元北杜市で生産された信州早生(日本古来のホップ)を多く使用したビール。
フローラルな香りがあり、どこか「上品」で「おしとやかさ」を感じる和風テイストに仕上がっているそうです。
是非ピルスナーと飲み比べをして、その違いを堪能してみてください。
ネット販売でも数分で売り切れてしまう幻のビールを醸造する「うちゅうブルーイング」。昨年2018年から北杜市にて自家醸造を開始したアメリカンスタイルのブルーイングです。
ジャーマンスタイルのラガービールを提唱する八ヶ岳ブルワリーと、アメリカンスタイルのドライホッピングが主体のビールがコラボレーションすることにより、面白いビールが完成したそうです。
6月9日のロックの日のイベント「ROCK Re:birth Day」では、この二つのビールが解禁されます。数量限定で醸造されていますので、なくなり次第終了となります。新鮮な樽から味わえる機会ですので、是非皆様もイベントに足を運んでみてください。
八ケ岳南麓で穫れるブランド米「梨北米」を使ったビールが、この令和元年に発売されました。
レギュラー商品「清里ラガー」で使用している米とは違い、「ファーストダウン」では実際に「ROCK」のカレーと共に出されている「梨北米」を贅沢に使用して醸造されました。
「ファーストダウン」は、飲み口をよくするために米が使用されていますが、これだけ贅沢に梨北米を使用しているので、後味にしっかりとした米のコクを感じられる仕上がりになっています。
そしてこのビール、「一杯目専用ビール」という、とてもインパクトのあるキャッチがついています。
筆者自身もこの取材の後、実際に「ROCK」で「ファーストダウン」を味わってみました。
「一杯目専用」と聞くと思わず注文してしまうということもありますが、実際に味わってみると、とてもすっきりとして飲みやすいビールになっています。
特にこれから夏に向けて、最高に美味しい1杯目になること間違いなしですね。
皆様も是非「ROCK」でこの「ファーストダウン」を味わってみて下さい。
現在、「八ヶ岳ブルワリー」の醸造長を務める松岡風人氏。
松岡氏は、八ヶ岳ブルワリーの初代醸造長・山田一巳が書いた『ビール職人、美味いビールを語る』を読み、「この人のもとでビール造りを学びたい!」という志からこのブルワリーの門を叩いたそうです。
今では八ヶ岳ブルワリーの醸造長として、山田氏のビールへの夢と情熱を引き継ぎながら、新たな挑戦で次の進化へと向かっています。
「火災の後、再生までの1年間は案を練るという意味でよい時間だった」と語る松岡氏。
色々なことを柔軟に取り入れられるようになり、今まで造ったことがないものを造りたいという思いから、開発までも手掛けているという。
「ROCKの再生を後押ししてくれた地元の方々への恩返しの意味も込めて、地産地消を大事にしていきたい」
「地元には素晴らしいものを造っている方々が沢山いるので、そういう方とコラボして新しいビール造りをしたい」
そう語る松岡氏
昨年はフルーツ王国山梨ならではの、リンゴを使った「アップルヴァイス」や、桃を使ったコラボビールにも挑戦したそうです。
「ピルスナー」や「デュンケル」といった、先代から造り込まれてきたしっかりとした柱があるからこそ、クラフトビールならではの柔軟なチャレンジが出来ると、松岡氏は熱く語っていました。
今後、どのようなビールに「ROCK」で出会えるか、楽しみになってきますね。
8週間長期熟成、香り高くコク深い味わいの【ボック】と日本人の舌に合う、爽快感あふれる【ピルスナー】の組み合わせ
カラメルモルトの香ばしい風味と香りの【デュンケル】と8週間長期熟成のコク深さの【ロックボック】の組み合わせ
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