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更新日:2023年7月20日
笛吹市・石和温泉の夏の風物詩「鵜飼」の季節が今年もやってきました。笛吹川の鵜飼いは、約800年の歴史があり、鵜匠が舟に乗らず、川の中を歩きながら1羽の鵜を操る「徒歩鵜(かちう)」と呼ばれる伝統漁法です。
国内で行われている鵜飼いの中でも珍しく、徒歩鵜は全国で石和鵜飼のみ行われています。
現在は笛吹川石和鵜飼保存会が伝統を継承し、地元の高校生が鵜匠補助に加わり、毎年鵜飼の実演を行っています。
そんな貴重な徒歩鵜を体験できる「鵜匠体験」に参加してみましたので、その様子を動画と合わせて紹介します。
鵜匠体験は、鵜匠の衣装に着替え、鵜匠と一緒に、川の中で鵜の操り方を教わりながら徒歩鵜を体験することができます。
まず下にウエットスーツを着てから、上に木綿生地の漁服を着ます。鵜のくちばしから身を守るため長袖になっており、火の粉が胸元から入らないように胸当を着けます。胸当の裏側にはポケットがあり、小物が入れられて機能的です。
紐で縛るときは、水の中で解けないようにこぶ結びできつく結ぶのがポイント。藁でできた腰蓑は水しぶきを払い体が冷るのを防ぎ、かがり火から髪を守るため烏帽子をかぶります。鵜飼漁に適した様々な工夫がされた作りになっています。
最後に、鮎を入れるかごを着けたら鵜匠スタイルの完成です。
▼ 着付けの様子はコチラ
鵜匠の方に着付けを教えてもらい、準備完了!
川に入る前に、川の中での注意点や鵜の扱い方など鵜匠から教えてもらいます。
鵜は、光るものに目が行く習性があることと鋭いくちばしがあるので、目を近づけないことや、爪はかぎ型になっているので注意が必要です。
いよいよ川へ入ります。鵜を川に放つと、上流に泳いでいくので、鵜に取り付けた縄がピンと張るまで潜らせます。鵜が水面から顔を出したら、縄を左手に巻きつけながら手元に鵜を手繰り寄せるという作業を繰り返します。正月の凧揚げに近い感覚というのでしょうか。
かがり火で鮎をおびき寄せ、鵜が鮎を捕まえたら手元に引き寄せます。魚を飲み切らないように首に紐を括りつけていますが、飲み込んだ中でも小さい魚はお腹の中に入り、喉を通り抜けられなかった大きな鮎をかごに吐き出させて捕獲します。
今回の体験で、いったい何匹捕れたのか!? 動画をご覧ください。
鮎はたくさん捕れたのか...?
鵜匠体験者だけでなく、観覧者も鵜に触らせてもらうことができます。
鵜のまぶたには、瞬膜という透明な膜があり、目を閉じても水中が見えるのだそうです。
また、鵜が飲み込んだ魚は、くちばしで捕まえた瞬間に〆るため、傷みが少なく新鮮なままで、とてもおいしいと鵜匠が教えてくれました。
漁を行うパートナーとして鵜を大事に育て、一心同体になって行う鵜飼。この伝統漁法を受け継ぐべく、地元の高校生も鵜匠体験イベントの手伝いをし、イベント運営を支えています。
鵜匠体験終了後、花火が10分間打ち上がります。川の向こう岸から打ち上げられる花火は迫力があります!
鵜飼に花火まで楽しめる「笛吹川石和鵜飼」。
鵜匠がすべてサポートしてくれるので、はじめてでも安心して鵜飼を楽しむことができ、貴重な体験ができました。
また、体験しない方でも、河川敷の間近で鵜飼の様子を観覧することができます。ぜひ全国でも珍しい徒歩鵜(かちう)を見にきませんか?
《笛吹川石和鵜飼》
《石和温泉鵜飼花火》 開催日:令和6年7月20日(土)~8月18日(日)の水・木・土・日
《開催場所》 ※当日の天候や河川の状況により、中止の場合あり。 |
今年度の鵜匠体験の募集は終了しました。また来年をお楽しみに。