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更新日:2021年3月25日
山梨県甲州市勝沼にて大正十年(1921年)に創業し、今年でちょうど100周年を迎えるあさや葡萄酒。良質な地元産ぶどうの栽培や選定、その素材の魅力を活かし抜くための醸造技術にこだわり『産地の風土を生かしたワイン造り』を目指しています。自社畑でのぶどう栽培では、常識にとらわれず「とにかくやってみる」というチャレンジ精神を大切に、日本の風土に合わないと言われている品種でも挑戦することがモットー。これまで積み重ねてきた技術を守りながら、新しい風を取り込む、伝統と革新を繰り返すあさや葡萄酒を取材してきました。
1921年ぶどう栽培が急激に盛んになったこの年、あさや葡萄酒は創業しました。当時は前身の酒屋を営んでおり、その後、勝沼の地でぶどう作りからワイン醸造を始め、現在に至ります。日川渓谷から流れてくる風と扇状地の地形である勝沼は果樹栽培に向いているからこそ、自社の畑で出来たぶどうでワイン作りをしたいという熱い想いがあります。自社畑では日本原産の赤白とヨーロッパ原産の赤白のぶどうを栽培。日本では栽培が難しいとされる品種の栽培も、まずは自分の手でやってみることを大切にしているそう。結果やはり上手く栽培できなかったとしても、それは経験として積み重ねられると専務は言います。
山梨県外ではなかなかお目にかかれないアジロンタックをはじめ、様々な品種を扱う
創業当初に使用していた機械なども見学できる
「最新のものが揃っているわけじゃないだけどね。」と言いながら専務の雨宮さんが紹介してくれた機械は、どれも丁寧に手入れされて、大事に使われていることがわかるものばかり。ぶどうは品種によっても、またその年の出来によっても熟し方が違うため、機械の時間や圧のかけ方を人の手で調節します。長年使い込んできた相棒ともいえる機械たちと一緒にワイン造りをしてきたからこそ分かる調整があり、そこには、やはり愛着が湧いてくるそう。できたワインは樽やタンクで熟成後、ボトリングして地下のセラーへ。約6万本のワインが眠るこの地下セラーは秘密基地のようで、見学ツアーでも大人気。一番古いヴィンテージは1978年のワイン。これから造ることのできない貴重な財産です。
果実の風味をそのまま残すように皮の近くまで絞る
ひんやりとした温度と独特の香りが広がる地下セラー
珍しい縦書きのコルク
見学ツアーの最初と最後に集まるショップでは、あさやの歴史を味わえるワインがずらり。ワイナリー限定のワインもあり、試飲も可能です。ワインサーバーからは常時6種類が試飲でき、月替わりでおすすめのワインが並びます。ショップの奥の窓から、ビン詰めのラインを見学することもでき、ショップに立ち寄るだけでも楽しめます。ワインは賞味期限がなく、また年号が入るため、バースディや記念日など、その年のストーリーを語れるところも愛される理由かもしれません。そんな大切な日にふさわしいワインに選ばれるよう、日々の畑の手入れ、ぶどう作り、ワイン造りに向き合っているそう。作って終わりではなく、お客様の手に渡り、飲む瞬間を大切に考え、1本1本愛情込めて作られたワインが並びます。
最近話題のオレンジワインなど約30種類のワインが買える
ワインのビン詰めのラインが見学可能
家業として、ワインは昔から馴染みがあり、気づけばもう22年が経ちました。もともとモノつくりが好きで大学では発酵の研究をしていました。近年ではぶどう栽培の難しさや喜び、日本の発酵文化の楽しさを感じています。和食が世界的にも注目されていますが、日本ワインも同様に注目されています。ワイン好きな方だけでなく、多くの方にワインをもっと気軽に楽しんでほしいと思います。最近ではスクリューキャプのボトルやボックスワインなど気軽に手に取れるものも多いので、ぜひ飲み比べてお気に入りを見つけてください。その際は、あさや葡萄酒のワインもぜひお試しいただければ幸いです。ワインが苦手な方でも飲みやすいものや、お料理に合わせたものなど、ワイナリーでしかご紹介できないワインも多くあるので、また多くの方にワイナリーにお越しいただき、大好きなワインを楽しんでほしいと思います。
ワイナリーでしかご紹介できないワインもあります
360度視点で見学ツアーを見ることができます。画像をクリック/タッチすると、360度全方向を見ることができます。