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更新日:2021年3月21日
1937年の創業以来、ブドウとワインの一大産地である山梨県甲州市勝沼町で、勝沼のテロワールを追求し続けてきた老舗ワイナリー、勝沼醸造。
「甲州種に特化し、世界に通ずる甲州ワインを造る」―壮大な目標を掲げ、日本固有品種である甲州ブドウだけを使った、最高品質のワイン造りに励んだ、3代目社長有賀雄二さん。2003年にはフランスのワインコンテスト「ヴィナリーインターナショナル」で辛口甲州ワインとして初めてが銀賞を受賞しました。勝沼醸造の甲州への深い愛情とたゆまぬ努力、変革を恐れないチャレンジ精神が「アルガブランカ」をはじめとする甲州ワインを、世界が認めるワインへと成長させたのです。
現在、醸造担当に長男裕剛さん、営業担当に次男淳さん、栽培担当に三男翔さんの3人の息子を迎え、勝沼醸造の新たなる時代が始まっています。
国道306号線沿い、築180年以上にもなる養蚕業をしていた日本家屋を、できるだけ当時のままの面影を残し改築したという風情ある佇まい。県内でも多くのファンを持つ勝沼醸造は、土地と自然、そして携わっている人たちに価値を見い出し、甲州ブドウを使った甲州ワイン造りを核としています。「フランスワインはフランスでなくちゃできないし、日本は日本でしか造れないワインがある。その産地の自然と人が密接に関わり合ってできるのがワイン。だからこそ、世界と同じことをしたって駄目だし、雨が多く、湿度が高いこの気候も個性として否定しないこと。まずは、この土地を受け入れることから始まるんです」と、有賀社長はいいます。
1937年の創業以来、ブドウ栽培からワイン醸造までを行う実力派ワイナリー
風土の個性を反映する、勝沼醸造のワインたち
よいワインはよいブドウから。勝沼醸造が手掛ける畑づくりは、あえて土を耕さず草を生やす「草生栽培」といわれる方法が基本だそう。「ぶどうの樹のまわりに草が生えないなんて、不自然じゃないですか?草が生える生態系の中でうまく回るなら、それが一番だと思う」とは次男の淳さん。
蔵のすぐ横にはぶどう畑が広がり、勝沼の風景を楽しめます
様々な草木を生やしたままにする「草生栽培」を採用
勝沼醸造のワイナリーツアーは、プチワイン講座とぶどう畑見学、そしてテイスティングを堪能する「スタッフコース」と、ゆっくりとテイスティングを楽しむ「テイスティングコース」の2種類です。プチワイン講座は、その建築にも魅せられてしまう2階のグラスギャラリーで行われ、地元の甲州ブドウなどを原料にした味わい深いワインの歴史や、勝沼醸造の思いなどを知ることができます。
趣のある落ち着いた雰囲気の2階グラスギャラリー
製造工程でのこだわりは、甲州種の特性に合わせ、じっくりと時間をかけて搾るということ。搾った際に出る苦みもまた、甲州種の本来の特徴を表現しています。また、果汁を低温にして余分な水分を凍らせることにより、糖度をあげる氷結濃縮法などへの取り組みも積極的に行っています。
リーデル社のグラスを展示。「甲州」と名付けられたグラス
1階の貯蔵庫にはオーク樽が並ぶ
テイスティングはカード式のワインサーバーで、約20種類のワインリストから好きなワインを1000円分試飲できるというシステム(カード代500円・チャージ可)。グラス片手に様々なワインを自由に飲み比べできます。
テイスティングカウンターで様々な味わいの違いを堪能
カード方式のワインサーバーで自由にテイスティングできる
目の前にぶどう畑が広がる、勝沼の美しい景観を目に焼き付けながら、小川のせせらぎを耳に、甲州ワインを堪能する…流れていくゆったりと時間の中で、風土の個性を反映するワイン造りをモットーにする勝沼醸造の思いが、じんわりと心にしみるはず。人と自然が関わり合い、ワインという表現へ。甲州に乾杯!
日本が世界に誇るアルガブランカシリーズ
風情漂う雰囲気が魅力のテイスティングルーム
世界を魅了するには、この地で勝負するしかないと覚悟を決めて取り組んできました。1300年前からある甲州種ともに、この勝沼のぶどう畑の景観も、そして農家の人たちも一緒に守っていかなければと心から思います。土着のぶどう文化と共に生きるために、見直さなければいけないことや問題は山積みですが、次の世代に受け継いでいくために、挑戦し続けたいと思います。アルガブランカイセハラやクラレーザなど、甲州ワインを幅広く取り揃えているので、本当の甲州のキャラクターを知りたい方にもおすすめです!新たな甲州の魅力と出会えるワイナリーなので、ぜひ遊びに来てください。
勝沼醸造 営業担当 有賀 淳さん
360度視点で見学ツアーを見ることができます。画像をクリック/タッチすると、360度全方向を見ることができます。
ホーム > 土地と人に価値を見出す“世界に通用する甲州ワイン” 『勝沼醸造』【甲州市】