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更新日:2021年3月21日
甲州市勝沼町にある「まるき葡萄酒」は南アルプスが一望でき、目下には甲府盆地が広がる絶景が楽しめる滞在型ワイナリー。その歴史は長く、創業者のワイン造りをたどると明治10年にまでさかのぼります。140年以上前、日本人で初めてワインを学ぶために渡仏した創業者、土屋龍憲。本場のブドウ栽培やワイン造りに感銘を受け、帰国後、日本固有種である甲州ぶどうを用いた日本ワインの開発に没頭します。そんな彼のワイン造りに対する情熱が今日まで受け継がれ、ブドウ本来の香りや果実感を楽しめるワイン醸造を実現しました。老舗ワイナリーならではの伝統的な技術と、最新の機械を用いた製法で、唯一無二の1本を目指しています。
明治10年「まるき葡萄酒」の創業者・土屋龍憲は、ワイン醸造技術習得のため、日本人で初めてフランスに渡りました。フランスのブドウ栽培・醸造技術、フランス料理とのマリアージュに大きな感銘を受け、不眠不休で栽培法、醸造法の習得に励みました。帰国後、甲州ぶどうを用いた日本ワインにこだわり、自ら勝沼葡萄酒の開懇と栽培を研究。「フランスワインがフランス料理に合うように、甲州ぶどうが和食に合わないはずがない」という並々ならぬ想いを胸に開発に取り組みます。1891年(明治24年)に「マルキ葡萄酒」を設立し、1895年に内国勧業第4回博覧会にて「サフラン葡萄酒」を出品有効賞受賞。1902年には日本で初めてのシャンパン「朝日シャンパン」発売するなど、その活躍はめざましく、日本ワイン史の礎を築きました。。
フランス トロワ市で撮影した創業者・土屋龍憲(左)
当時、宮内庁も御用達
ワイン造りの基本は、やはりブドウ。どこのワイナリーもそう言うかもしれませんが、まるき葡萄酒のその想いは、どこまでも真摯で、その工程でもブドウの味わいを活かすことを中心に考えられています。自社のブドウ畑では、なるべく農薬を使わないように、なんと羊を放牧。雑草は食べてくれて、排泄物は土に帰り健康的な肥料になるといいこと尽くめ。できるだけ人の手を加えずに、自然のエネルギーを蓄えたブドウ作りを目指しています。ブドウの品種や特性をそのままワインにできるように仕込みにもこだわりが。香りが重要な甲州はフレッシュな状態で絞るために、酸素に触れず窒素を使って搾汁できる機械を使用。樽熟成においても樽に頼りすぎずに、ブドウ本来の味わいを大切にしています。
年に一回の毛刈り直前のモフモフな羊さん
袋には窒素が入っていて、搾汁の際に呼吸するように動く
美術館のように美しく樽が並ぶ
空調機器を使わなくとも年間としてひんやりとしているセラー
白ワイン3種、赤ワイン1種類のテイスティングが出来る
ワインの販売はオレンジ色が目を惹くショップにて。約30種類のワインが並び、2階はゆっくりとくつろげるライブラリースペースに。ワインに関する書籍や雑誌などがあり、ゆっくりと過ごせます。天気のいい日はテラスがおすすめ。目の前には雄大に広がる南アルプス、その下には甲府盆地が広がり、ブドウ畑では羊さんがのんびりと草をむしゃむしゃ。のどかで時間を忘れる空間でくつろぎのひと時をぜひ…。
※現在、テイスティングを含む見学ツアーは中止。(テイスティングを含まないスタンダードなツアーは開催中)
自宅用から贈答用まで様々なワインを取り扱う
景色を見ながら自分だけの贅沢時間を過ごせる
ワインは味や香り、料理とのマリアージュなど、様々な楽しみ方があります。しかし、それだけでなく、ワインを飲む雰囲気や時間、一緒にいる人との会話、終わったあと余韻など、ワインを取り巻く全体を余すことなく堪能していただきたいです。そういった意味を込めて、ショップ2階のライブラリースペースを設けております。現在も見学のみのツアーは実施しており、ツアーの最後にはテラスで景色を楽しんだり、ソファでくつろいだりと、自由に過ごしていただけます。ブドウ畑の羊や半地下のセラーなど、他のワイナリーではなかなか体験できない時間が過ごせると思うので、ぜひお越しください。
取締役社長の鈴木圭一さん