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更新日:2021年3月21日
山梨県甲州市勝沼町は、日本を代表するブドウとワインの産地。国産ワインの歴史は、勝沼の二人の青年、高野正誠と土屋竜憲がフランスで学んだ醸造技術を地元に広めたことに始まり、現在ではこの二人をモチーフにしたシンボルマークを街のあちらこちらに見ることができます。
甲府盆地の東側は、ブドウ栽培がとても盛んで、数多くのワイナリーが存在します。ワインの原料に使われるブドウは、どんな果樹よりも育った場所の影響を受けやすく、同じ品種であっても土地の個性を色濃く反映しやすいといわれています。だからこそ、その土地のブドウから造られたものを、その土地で味わうこと…それこそがワインの醍醐味なのです。
この“勝沼”でのワイン造りを大切に守り続けてきたワイナリーのひとつが白百合醸造です。
ワイン造りはいたってシンプル。それゆえに原材料であるブドウの良否が重要であると考え、白百合醸造では自社畑でのブドウ栽培から一貫したワイン造りを行っています。「お茶飲むとき、これはどこ産の茶葉だとか気にしますか?ワインも同じ。ウンチクなんて本当は必要ない。黙って飲むようになれば、それが文化になる」。内田社長が目指すのは、日本にもそんなワイン文化が育つこと。
お洒落な白い建物が目印の白百合醸造
それにはまず、ワインを知ってもらうことから。単なる見学ツアーや試飲にとどまらず、農作業体験やぶどう踏み体験などの珍しいプランを揃えるのも、こんな思いからなのだ。勝沼の地で育んだブドウ畑や、その畑を取り巻く環境を肌で感じながら、勝沼ワインを味わう…これぞ、その地でしか楽しむことができない、素晴らしい体験に違いありません。
自社畑でブドウ栽培からワイン造りまで一貫して取り組む
自社畑の甲州の枝をプレゼント。根が出たら鉢植えでも育てられる
白百合醸造が提案するワイナリーツアーはとっても多彩。試飲・ショッピングはもちろん、ブドウ畑からワイン醸造工程、熟成中のワインセラー見学など無料の見学ツアーだけでなく、ブドウ栽培の体験や、収穫したブドウを足で踏んで出来たてのジュースを味わえたり。さらには、自分の手でボトルに生ワインを詰め、コルク栓打ちからオリジナルのラベル作りまでを手掛け、世界に1本だけのオリジナルワインを持ち帰れます。
レバーを下に押してコルクを詰める
好きなシートに絵や文字をかくラベル作り
点ではなく、ワイン造りを線として捉え、ワインへの理解を深められる白百合醸造の観光への取り組みは、とても奥深い内容で構成されています。勝沼の風土を生かしたワイン造りに情熱を注ぎ、「地域」とともに歩み続ける地ワインの背景まで垣間見ることができるのも、ここならではの魅力のひとつです。
熟成樽がズラリと並ぶ光景は圧巻
ショップの奥で、ひと際異彩を放つレンガセラーがあります。約160年前にオーストリアのハプスブルク家で使用されていたワインセラーのレンガ約5000個を使って、今から約28年前に再現されたそう。厳かな雰囲気が漂う趣のあるワインセラーは、何ともフォトジェニック!多くの観光客のフォトスポットとなっています。非売品のワインのほか、オールドヴィンテージワインやワイナリー限定ワインも。
ショップの一角には、趣のあるワインセラーが
160年前のハプスブルク家のワインセラーを再現
試飲しながら、お気に入りの1本を見つけよう
ぶどう(マスカット・ベーリーA)から各種製品が誕生する
勝沼で育ったブドウで、常に最良のワイン造りを目指しています。決してワイン会社ではなく、ブドウづくりが農業であるように、ワイン造りもまた農業です。同じ土地で育ったブドウは、いわば兄弟のようなもの。同じ親の遺伝子を受け継ぎながらも、育て方や環境で似ているけど、決して同じじゃない。この愛する勝沼で、この地の風土に合ったブドウを原料に、ベストな美味しいワイン造りにこれからも取り組んでいきます。ぜひ、勝沼ならではの個性が味わえるワインをお楽しみください。
白百合醸造 代表取締役社長 内田多加夫さん
360度視点で見学ツアーを見ることができます。画像をクリック/タッチすると、360度全方向を見ることができます。