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第9回おもてなしのやまなし県民大会開催結果

県民総参加での「おもてなし」について理解と関心を深めていただくため、今年度も、令和2年1月30日木曜日に、第9回おもてなしのやまなし県民大会を開催しました。

山梨県議会議員の皆さまをはじめ、観光関連団体や観光事業者の方々、市町村や一般の県民の皆さまなど、おもてなしの取り組みに関わる多くの方にご参加いただきました。

開会式

開会のことば

おもてなしのやまなし県民大会実行委員長 鎌田誠一(公益社団法人やまなし観光推進機構理事長)

第9回県民大会実行委員長のあいさつ

あいさつ

山梨県 若林一紀副知事

第9回県民大会若林副知事のあいさつ

 

山梨県議会 大柴邦彦議長

第9回県民大会議長のあいさつ

令和元年度おもてなしのやまなし知事表彰

「おもてなしのやまなし知事表彰」とは、平成23年に制定された「おもてなしのやまなし観光振興条例」に基づいて、優れたおもてなしを実践している県民の皆様や事業者の皆様を表彰する制度です。

第8目となった今回は、県民表彰(個人・団体)と事業者表彰、計14組の皆さんに、若林一紀山梨県副知事から表彰状と記念品の表彰楯が贈られました。

県民表彰(個人の部)

小俣 八重子 様、宮下 庄司 様(富士吉田市)

お二人は、富士山吉田口登山道「富士山おやすみ処」において、開山期間中、登山者に無料湯茶の接待、観光地のご案内、「登山認定書」申請用紙の配布、さらには避難者の対応などを行っています。世界文化遺産登録により、麓から歩かれる登山者が増加する中、安全かつ快適に楽しんでもらえるよう、明るい人柄を活かして積極的に交流を図り、来訪者へのおもてなしを実践しています。

県民表彰(団体の部)

甲府市立甲府商科専門学校

山梨の夏の風物詩である甲府中心街「七夕まつり」に合わせて、平成20年から、伝統の七夕飾りの吹き流し制作やデコレーションを全校で行い、来訪者を楽しませている。伝統ある祭りの手助けをしたいとの思いから始まり、現在では、中央商店街でのインターンシップ活動にもつながっている。これらは、地域の魅力や価値について知識や理解を深める積極的な取り組みとして他の模範となり、甲府の中心街活性化にも寄与しています。

山梨市森林セラピー推進協議会

セラピー基地(NPO法人 森林セラピーソサエティが認定)である「西沢渓谷」をはじめ、乙女湖ロード、巨峰の丘ロードなどで、森林浴による癒やしやリラックス効果を得られる森林セラピーを行っています。豊かな自然や地形を活用した特色あるプログラム作りやセラピーガイドの育成を行うとともに、県内外の方々に森林セラピーの魅力を紹介するなど、山梨市のファンづくりに積極的に取り組み、その活動は他の模範となっています。

笹子追分人形保存会(大月市)

山梨県無形民俗文化財「追分の人形芝居」を継承する笹子追分人形保存会は、市内外でのお祭りやイベントに参加し、来訪者に地元の伝統芸能である人形浄瑠璃を披露しています。演目の披露だけでなく、人形に触れてもらいその仕組みを教える、写真撮影にも気軽に応じるなどの対応は、高評価のおもてなしにつながっています。最近では、日本文化に関心を示す外国人にも好評で、伝統芸能を通して地域の魅力発信に大きく貢献し、その活動は他の模範となっています。

芦安の将来を考える会(かたくりの会)(南アルプス市)

芦安地区の方々が集まり、景観整備や遊休農地の活用をはじめ、他の地域との交流による地域づくりの研修会、「新緑やまぶき祭り」の開催など、住民主体による地域おこしを実践しています。さらに、今年度は「芦安今昔マップ」を作成し、観光マップにあまり載らない、地元住民の記憶に残る昔の情報を掲載するなど、郷土の魅力や価値についての知識や理解を深める活動に積極的に取り組み、他の模範となっています。

南アルプスマウンテンバイク愛好会(南アルプス市)

マウンテンバイクの普及活動を通して、マウンテンバイカーの育成や受入環境整備に留まらず、南アルプスエリアの環境保全、登山道の整備、山村集落の活性化、自然環境を活かした子供達への教育など、様々な活動を行っています。その活動は、先駆的な取り組みとして注目を集めており、県内外のみならず世界中から多くのマウンテンバイカーが訪れるイベントを開催するなど、南アルプスの魅力や価値の向上、地域振興に寄与しています。

大弐学問祭実行委員会(甲斐市)

郷土が生んだ学問の神様「山県大弐」の遺徳を偲び、昭和61年より、秋分の日に「大弐学問祭」を開催しています。学問祭では、神輿の渡御や大弐仮装行列など多くの歴史文化を感じることができ、さらには、子供達による論語の暗唱や学問成就祈願などが行われ、次の世代へ郷土の伝統文化が受け継がれています。また、祭りの開催時には、他団体の活動支援等も積極的に行い、地域と協働した取り組みは他の模範となっています。

上野原市観光ボランティアガイド連絡協議会

山梨百名山「権現山」をはじめとする上野原市内の山々、古き歴史が残る甲州街道を中心に登山客や観光客のガイドを行い、上野原の豊かな自然や歴史文化の魅力を伝えています。さらには、歴史について理解を深める研修会や救命講習会によるガイドスキルの向上、ハイキングイベントの企画やPR活動による誘客の取り組みを実践し、観光振興に尽力しています。

五条ヶ丘活性化推進協議会(身延町)

マンガ・アニメ・ドラマ「ゆるキャン△」の本栖高校のモデル地となった旧下部小中学校を拠点にモデル地を巡る旅行者に、案内看板を設置、地域の情報をのせた手作り地図の配布などさまざまなおもてなしの活動を行っています。また閉校した学校の校庭を利用してのキャンプイベントの開催やお土産品づくり、料理メニューの開発、観光資源の情報発信など、旅行者受け入れのために、地域住民と協力して実施した活動は多岐にわたっています。訪れた旅行者が、身延の雄大な自然、景色、地域のおもてなしの心に触れ、身延のファンになることにより、地域活性化と観光振興に大きく寄与しています。

 昭和町立押原小学校

平成23年度から、外国の学校大学の教員が集まる研究会の会場校となり、外国の教員との交流が行われている。その中で児童が山梨や学校のこと、自分自身のことについて英語で紹介する交流会が開かれ日本の文化に触れる体験やプレゼントなどのおもてなしが喜ばれています。この体験が児童の郷土に対する理解やコミュニケーション能力の向上にもつながっています。「やまなしに来られた方を喜ばせよう」という積極的な想いがおもてなしの活動に表れています。

クマガイソウを愛でる会(西桂町)

絶滅危惧種に指定されているクマガイソウを守るため、長年にわたり、倉見山の群生地の保護や管理を行っています。毎年4月下旬から5月中旬の公開時には、観光案内及びクマガイソウの魅力や価値について理解を深めてもらう説明を行い、来訪者への優れたおもてなしを実践しています。これらは地域の貴重な観光資源を守る活動として観光振興に貢献しています。

富士河口湖町立勝山中学校

勝山中学校の「双龍太鼓」は、統合した西浜中学校の太鼓の伝統を受け継ぎ、30年に渡って演奏活動を続けており地域で年間15回以上の発表をしています。イベントには外国人観光客も多く訪れており高い評価をいただいています。外国の中学生と太鼓を通じて交流したり、「和太鼓白壇」というチームを率いて卒業生と共に太鼓の伝統を守るなど、長年にわたる伝統文化保存・継承によるおもてなしの活動を実践しています。

事業者表彰

株式会社アトリエいろは一級建築士事務所(韮崎市)

韮崎中央商店街のシンボル「アメリカヤ」の再生やJR韮崎駅前の古い長屋を改修し、お酒や食事が楽しめる「アメリカヤ横丁」の整備を手がけました。街の歴史や文化を継承するとともに、アメリカヤでのイベントやナイトマーケット「韮崎夜市」を企画・開催することによって、昼のみならず夜の楽しみを提供し、市内外から多くの観光客やビジネスマンが訪れています。これらの活動は、街に賑わいを創出し、観光地の更なる魅力向上と地域活性化に大きく寄与しています。

 

 表彰式終了後には、受賞者全員で写真を撮りました。令和元年度受賞者写真

会場内に受賞者の皆様の活動内容を展示したほか、表彰式終了後にはスクリーンで活動内容を紹介させていただきました。

第9回県民大会事例紹介

 

今年も、地域も年代もさまざまな方の受賞となりました。これからも、地域に誇りをもっておもてなしを実践されていらっしゃる皆さまの活動が広がっていくことを期待しています。

おもてなしのやまなし知事表彰者一覧と取組のご紹介はこちらをご覧ください。

おもてなしの取組事例発表

受賞者を代表して「笹子追分人形保存会」の皆様に取り組み事例を発表していただきました。

保存会の皆様は、山梨県無形民俗文化財「追分の人形芝居」を継承し、県内外でのお祭りやイベントなどで披露されています。その際には、人形に触れてもらう、仕組みを教える、写真撮影にも気軽に応じることで、人形芝居の魅力を広く伝える取り組みを実践されています。伝統芸能を活用した来訪者へのおもてなしは好評で、特に、日本文化に関心を示す外国人には高い評価を受けています。

この日は、人形の扱い方、どのように動かしているのかといった説明を実際に聞き、お祝いの演目、口三味線による追分の三番叟(さんばそう)を披露してくださいました。人形たちは、まるで人間のような細かい動きをしており、会員の皆様の高い技能を見ることができました。

県内にこのような日本古来の伝統芸能が残っていることを誇りに感じるとともに、より多くの方々に見ていただけるよう、さらなる活動の場を広げていただけることを期待しています。

笹子追分人形保存会事例発表

基調講演「やまなしおもてなしアドバイザー高野登氏」

 そして、今年も、やまなしおもてなしアドバイザーである高野登さんによる、基調講演を行いました。9回目となる今回も、自らの経験談を踏まえながら、観光だけでなく、仕事や日々の生活を送る中での励みとなる、貴重なお話をしてくださいました。

第9回県民大会基調講演

 今年のテーマは、「観光は地域力が勝負!~生活の営みがおもてなしを支える~」です。

おもてなしは特別なことをするでも、特別なモノを使うことでもなく、日々の営みから生まれるもの。

観光はその地域の「光を観る」こと。そして、地域の光とは営みそのものです。参加者それぞれが、観光、地域、生活の在り方をもう一度考え、共有する機会としていただけるよう、お話をしていただきました。

生活、ビジネス、芸術、これらに必要なものは、想像力を働かせることだそうです。もちろん、おもてなしやホスピタリティも同様。ただ、想像力は働かせるだけではなく、その使い方、相手への伝え方など、スポーツのように練習しなければ上達はしない。高野さんも、ザ・リッツ・カールトン時代には、仲間と徹底的に特訓し、あらゆる場面でのホスピタリティ力を鍛え、高めたそうです。

そして、想像力を形にすることでイノベーションが起こり、地域、会社、自分自身が変わっていく。特に、地域力を高めるには、その地域の若者、よそ者、ばか者(賢い年寄り)が協力し、そいうった地域の人々の熱量を集め、一緒に作り上げること。また、人は、会う人や住むところを変えてみる、本を読む、経験するなど、異なるものからの刺激や視点に触れることが大切というお話が印象的でした。

観光地を支える地域の人々の心がけ、日々の営みや活動によって、地域の価値や魅力がさらに高まっていくものだと改めて感じました。

参加者は真剣に聞き入っており、たくさんの質問をしてくださいましたので、今後のおもてなしの活動に活かして、さらなる磨きをかけていただきたと思います!