ホーム > 第6回おもてなしのやまなし県民大会
ここから本文です。
県民総参加での「おもてなし」について理解と関心を深めていただくため、平成29年1月31日におもてなしのやまなし県民大会が開催されました。
今回のレポートでは、県民大会の模様についてお届けします。
「おもてなしのやまなし知事表彰」とは、平成23年に制定された「おもてなしのやまなし観光振興条例」に基づいて、優れたおもてなしを実践している県民の皆様や事業者の皆様を表彰する制度です。
第5回目となった今回は、県民表彰(個人・団体)と事業者表彰、計12組の皆さんに、山下誠副知事から表彰状と記念品の表彰楯が贈られました。
〇石原専邦様
30年以上前から、所有の桃畑に菜の花をの種をまき、花が見頃を迎える時期には畑に散策路をつくり一般開放しています。趣味で作成した陶器などを桃畑を並べ作品展を開催するなど、毎年4月に開催している桃の花祭りでは大勢の観光客を迎え、訪れた人の目を楽しませています。
〇昇仙峡魅力づくり協議会
昇仙峡エリアの魅力向上や来訪者へのおもてなしの充実による観光振興を目的として、来訪者に満足していただけるよう様々なイベントの実施、ガイド「昇仙峡マイスター」の運営、昇仙峡エリアの清掃・草刈りなどの美化活動に継続して取り組まれています。
〇山梨市立岩手小学校太鼓
4年生以上の児童が太鼓の演奏に参加し、岩手地区の祭りや市主催の「万葉うたまつり」などの行事で演奏を行っています。運動会では高学年の演奏に合わせて低学年が踊り、全校児童が一体となった太鼓を地域や保護者の方に披露しており、郷土の伝統を引き継ぎ、魅力を発信する活動をしています。
〇北杜市立高根清里小学校
「ポールラッシュ祭~八ヶ岳カンティフェア~」に参加し、「地域の人や他県の人とのふれあいを深め、自分の役割を果たすことに喜びを感じることができる」ことを狙いとして、祭りに訪れた観光客に、低学年は木の実で作ったプレゼント配布、中学年は清里の素晴らしさをテーマにした発表やビオラのしおり販売、高学年は自分たちで育てたビオラの紹介・販売を行っており、心からのおもてなしを実践しています。(代表して、高橋校長にお受け取りいただきました。)
〇勝沼コンシェルジュ
甲州市勝沼町にある宮光園を拠点に観光客へのガイド活動や、かつぬまぶどうまつりで実施されるフットパスツアーのガイド等を行い、訪れる観光客に歴史・文化・自然の知識を深める活動を行ってるほか、県外研修等の依頼があった場合のフットパスコース案内や、甲州市観光おもてなしボランティアガイド養成講座で講師としての活動も行っています。
〇中央市歴史文化ボランティアの会
中央市内の歴史遺産・史跡・文化財などの案内や普及活動を行っており、中央市を訪れる観光客に対し、浅利与一ゆかりの市内史跡や神社仏閣・仏像なとの文化財の案内や中央市豊富郷土資料館で行われるイベントサポート活動を行い、地域の文化・世代間交流にも積極的に努めています。
〇赤沢同志会
赤沢集落にUターンした人達が中心となって結成され、ふるさと赤沢に活気を取り戻すべく、平成5年の重要伝統的建造物群保存地区の選定に貢献し、赤沢宿の駅「清水屋」と「喜久屋」にて、赤沢地区の案内や町内の観光情報発信を行うほか、絵画展やヨガ教室、コンサートなども企画し、新たに観光客を楽しませる工夫を行っています。
〇下部温泉おかみの会
地域で行う祭りやイベントに率先して参加し、下部温泉郷の活動の主要組織としてさまざまな活動をしています。また、外国人おもてなしセミナーの開催や「しもべ温泉女将だより」による情報発信、手作りポップで地元産品をわかりやすく紹介してブランド化に向けての活動も行っています。
〇南部町立南部中学校
ふるさとの文化に触れる機会にしたいと内船歌舞伎保存会に協力を要請し、伝統芸能「内船歌舞伎」に取り組む活動を始め、学園祭で披露しています。地域の伝統文化を学び、地域の人達と交流を深めることに貢献したとともに、地域の伝統文化が広く町内に知れ渡るきっかけとなり、伝統文化の保存・継承に関わっています。(代表して、石川校長にお受け取りいただきました。)
〇やまなか地区まちづくり委員会
山中地区の「自然、歴史、風土、文化、景観」などの資源を掘り起こし、後世に受け継ぐため、地域の資源を探す勉強会やむらあるきワークショップなどを行っています。また、その資源を多くの人に伝えるため、広報活動や散策路の整備やイベント実施など、郷土の魅力や価値についての知識や理解を深める活動を積極的に取り組んでいます。
〇山中湖おもてなしの会
山中湖を訪れる観光客により良い環境を提供しようと地元の若者有志で結成し、湖畔やサイクリングロードの清掃をはじめ、村内の公園やハイキングコースの下刈りなど、訪れた人を温かく「おもてなし」するための活動を展開しているほか、地域イベントにも積極的に参加し、地域活性に大きく貢献しています。
〇有限会社韮崎タクシー
地域住民や山梨県を訪れる観光客から愛されるタクシーを目指し、良質な運転者の育成に努め、会社で「おもてなし宣言」をしているほか、おもてなしタクシードライバーにも社員の半数を超える人数が認定されています。事業経営においても、福祉タクシーの導入のほか観光タクシーにも積極的で自社独自の観光コースの設定や外国人対応指さしシートの備え付けなど本県を訪れる観光客の利便向上と地域観光の発展に努めています。
表彰状を渡した後には受賞者の皆さんで記念写真を撮りました。
会場ロビーに受賞者の皆様の活動内容を展示したほか、表彰式終了後にはスクリーンで活動内容を紹介させていただきました。
今年も、地域も年代もさまざまな方の受賞となりました。
おもてなしの取り組みが県全体へ広く浸透してきたということの表れだと思います。
これからもこのような「おもてなしの輪」が広がっていくことを期待しています!
表彰式のあとは、やまなしおもてなしアドバイザーである高野登さんによる基調講演を行いました。
「進化するおもてなし」をテーマに、もう一度おもてなしについて考えるきっかけとなる話をしていただきました。
約150名の参加者の皆さんは熱心にメモを取ったりして高野さんの話に聞き入っている様子でした。
講演で話された、高野さんの車椅子を使用している高野さんの知人のお話しを紹介します。
ホテルのレストランでテーブルに案内される時に設置されている椅子を外して、丁寧な応対でそちらに車椅子ごと案内されたそうです。
一般的にこれが正しい接客かと思っていましたが、高野さんはこの知人に「私はレストランにあるふかふかの椅子で食事がしたかったのです。私が乗っているのは”車椅子”でなくて”椅子車”なんですよ。これは椅子でなくて乗り物なんです。」と言われたそうです。
自分の価値観で物事を判断してしまうと、相手が本当に求めていることから離れてしまうという話でした。
物事に対して、いくつも仮説を立ててみる「仮設力(かせつりょく)」をつけることが大切だそうです。
それにより、自分の反応に幅が出てくるので皆さんも日々の生活に取り入れてみたらいかがでしょうか。
そして、日々の営みを大切にすることがおもてなしの原点であり、その積み重ねがおもてなしの推進になります。
講演を聞いた方が、改めておもてなしについて考えるきっかけとなれば嬉しいです。