ホーム > 第7回おもてなしのやまなし県民大会
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県民総参加での「おもてなし」について理解と関心を深めていただくため、平成30年1月31日に第7回おもてなしのやまなし県民大会が開催されました。
今回のレポートでは、県民大会の模様についてお届けします。
「おもてなしのやまなし知事表彰」とは、平成23年に制定された「おもてなしのやまなし観光振興条例」に基づいて、優れたおもてなしを実践している県民の皆様や事業者の皆様を表彰する制度です。
第6回目となった今回は、県民表彰(個人・団体)と事業者表彰、計12組の皆さんに、後藤斎山梨県知事から表彰状と記念品の表彰楯が贈られました。
〇三森 哲也 様
市民有志による「勝沼フットパスの会」の設立・運営や、勝沼朝市において「まち案内処」を開設するなど運営にかかわり、地域の良さを積極的に広める活動を継続して実施しておられます。また、景観まちづくりのノウハウを持ったリーダー育成のための研修講師を務めるなど山梨県の魅力づくりに大きく貢献しております。
〇四菱まちづくり総合研究室
甲府市中心街の活性化を目的に山梨県立大学国際政策学部熊谷ゼミの学生が中心に開設したまちづくり機関で今年度10周年を迎えます。中心街の商店主へのヒアリング、研究者や行政、地元企業が参加する意見交換会の開催、飲食店のガイド本「甲府!おもてなしBOOK」を発行するなど、中心街活性化に向けた気にわたる活動を継続しています。
〇甲州笛吹太鼓保存会
旧三富村に古くから伝わる笛吹権三郎の話を伝えるため、太鼓・笛を中心とする独自の曲を作成し、伝承芸能として住民への普及と文化向上や観光資源にも役立てようと昭和57年に発足しました。秩父市や川上村などにおいて様々な行事に出演し、郷土の魅力を発信する活動を長年にわたり行い、交流を深めています。また、県内のイベントでも演奏を行い、市内においては伝統文化を認識させ、市外においては山梨市三富地区をPRする活動となっています。
〇山梨市ボランティア観光ガイドの会
市観光指針目標「おもてなしの心をおみやげに」の実現に向けて会員が知識や経験を活かし、山梨市駅前観光案内所での観光案内を中心に「万葉うたまつりとホタル観賞会」でのガイド、市内観光施設でのガイド案内などをおこなっています。隔月で定例会を開き、観光情報の交換・知識の共有を図っているほか、研修会を行い、より質の高いガイドができるよう努めるなど、市の魅力発信の最前線で活動をしています。
〇甲州市立大和中学校
武田勝頼公一族の歴史を後世に伝えるため昭和53年に「巫女の舞」を創作し、女子生徒により景徳院の祭典に奉納されました。昭和58年からは「信玄公まつり」に巫女の舞と男子生徒による「勝頼隊」が出演することになり、甲州市大和村の歴史をPRするとともに、県内外の観光客のおもてなしに貢献しています。近年は親子二代にわたって「巫女の舞」を踊る家庭もでてきており、地域の歴史を継承し、地域の絆を深める役割も果たしています。
〇山梨むかしがたりの会
平成13年の設立から、民話を甲州弁で語り、多くの人に楽しんでもらいながら次世代に継承していく活動に取り組んでいます。20代から80代の会員を4グループに分け、月1回の全体学習会とグループごとの学習会を行い、県内の図書館や公民館、福祉施設、学校、観光施設等で月に十数回甲州弁で民話を語る活動を継続的に続けています。
〇まほらの郷 鷹座巣小林八幡太鼓
小中学生・地域住人を対象に太鼓教室を行い、その成果を地域の祭りや町の行事などで観光客や地域の方々に披露しています。曲は昭和20年代に青年団が祭りで打っていたという太鼓のリズムを取り入れて平成18年に創作し、小林八幡神社に奉納したもので、郷土の太鼓として地域に根付くことを願って地域の行事では子供たちも参加して演奏をしています。
〇山梨県立身延高等学校
地域に根ざした総合学科高校としてキャリア教育の充実を図るとともに、山梨県立大学との連携を通じて地域活性化策についての学習や研究に取り組んできました。その成果として身延町へ政策提言を行い「しだれ桜の里づくり事業」や多言語表記の看板設置、QRコードを利用した「どんぶり街道」のPR方法、身延まんじゅうを題材にした町のPR動画作成など、高校生目線による地域活性化策を具現化させており、観光客へのPRや地域観光資源の有効活用につながっています。
〇身延山・七面山修行走実行委員会
「身延往還」を舞台にトレイルランを開催し、参加者(県外8割)への身延山までのアクセス案内や宿泊施設紹介、コースである参道の清掃活動、七面山ご神木と同じ素材を使ったブレスネットなど地域資源を利用した土産品づくりなどを行い、参加者に対し様々なおもてなしをしています。また、参加者家族向けにコース内の歴史ある場所をお坊さんの説明を受けながら歩く「御縁足」を実施しており、選手や関係者が身延ファンになってもらう活動を行っています。
〇山梨県富士山世界遺産ガイド会
富士山の顕著な普遍的価値を来訪者にわかりやすく理解してもらうための研修を重ねています。平成27年には「富士山世界遺産ガイドの心得7カ条」を制定し、一人ひとりが質の高いおもてなしを行うことを意識してガイドを行っています。富士山政界遺産センターにおいて日本人のみならず、英語圏・中国語圏の観光客の方々に対しても「おもてなしの心」を大事にしたガイド活動を展開し、ガイドを受けた観光客からお礼の手紙が届くなど好評を得ています。
〇小菅村立小菅小学校
村内に伝わる「大菩薩御光太鼓」を小学校の教育の一部に取り入れ、現在では小学校3年から6年の児童が練習を行っています。「多摩源流祭り」「すげのこまつり」などの地元イベントや、多摩川つながりで「狛江市すくすくコンサート」に出演し、県内外の人々に地域の伝統文化を披露するなど地域の伝統文化継承に大きく貢献しています。
〇山梨銘醸株式会社
甲斐駒ケ岳の伏流水と地元農家が栽培した酒米という地元素材にこだわった酒造りを行っている老舗の造酒屋。酒蔵開放や明治天皇がご宿泊なさった母屋「行在所(あんざいしょ)」拝観などを行い、来訪者に酒造りを身近に感じてもらうとともに、地域住民が主体となって開催する骨董市にも積極的に関わり、台ケ原宿の活性化に尽力しています。また、尾白川クリーンキャンペーンへの参画、水の山プロジェクトのパートナー企業として地域資源の保全・啓発活動、ブランド推進に積極的に取り組みなど地域に根ざした様々な活動をしています。
表彰状を渡した後には受賞者の皆さんで記念写真を撮りました。
会場内に受賞者の皆様の活動内容を展示したほか、表彰式終了後にはスクリーンで活動内容を紹介させていただきました。
今年も、地域も年代もさまざまな方の受賞となりました。
おもてなしの取り組みが県全体へ広く浸透してきたということの表れだと思います。
これからもこのような「おもてなしの輪」が広がっていくことを期待しています。
表彰式のあとは、やまなしおもてなしアドバイザーである高野登さんによる基調講演を行いました。
「自分が変われば、周りが変わる~輝く地域のつくりかた~」をテーマに、自分の中の考え方を少し変えることで職場などの雰囲気が良い方向に変わるという話をしていただきました。
約150名の参加者の皆さんは熱心にメモを取ったりして高野さんの話に聞き入っている様子でした。
誰かが一歩を踏み出すのを待っているだけでは進まない、物事のセンターピンを外さない、本気のおせっかいはホスピタリティになるなどの高野さんの言葉がありましたが、改めておもてなしについて考えるきっかけとなればと思います。