周囲を緑の山々に囲まれ、水も空気も清らかな、標高1100mの自然溢れる環境の中に、鶏たちの暮らす「黒富士農場」はあります。専務取締役を務める向山一輝さんは、生産から商品開発、店舗に関わることまで幅広い業務を行なっています。
「ここは、冷たく清潔でミネラル豊富な天然の湧き水が、上流から流れてきます。卵にとって水は命。水のおいしさが卵のおいしさにも大きく関わってきます」と向山さん。また、遺伝子組換えをしていない飼料は勿論、有機栽培飼料も活用しており、有機ＪＡＳ認証を取得している全国でも稀な農場です。
有機農業や動物福祉の普及にも務め、日々尽力しています。

みんな揃ってケーキ作りが大好きだという、「たまご村（敷島店）」で働くスタッフのみなさん。おすすめを聞いても、「どれもおいしいんです」と自信たっぷりに答えてくれます。できるだけ多くのお客様に喜んでもらえるものを作りたいから、卵の素材の良さを存分に活かせるよう心がけている、とのこと。みんなでアイデアを出し合って、メニューを決めることも多いとか。「初めて卵を食べた時、今まで食べた卵と全然違うことに驚きました。弾力があって、まろやかなコクがある。そして臭みが全くないんです。子供に安心安全であることも嬉しいですね。」

夏も涼しく爽やかな風の流れる農場を訪ねると、ふっくらした羽艶のいい鶏たちが、元気に気持ち良さそうに野原を駆け回っています。広々とした急斜面の放牧場で平飼いされた鶏は、足腰が丈夫でストレスもなく、健康的に育ちます。鶏舎に匂いがあまりないことも、ここの農場の特徴です。「たくさん運動してたくさん食べる鶏は、いい卵を産んでくれるんですよね。動物福祉は結果的に品質向上につながっています」と向山さん。自然やオーガニックをベースに、大学や企業との共同研究にも積極的に取り組み、専門家から一般の人まで、様々な人との交流を大切にしています。