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更新日:2021年3月4日
清里高原、「萌木の村」の中にあるクラシックホテル「ホテル ハット・ウォールデン」は今から約40年前、清里高原で最初のホテルとして建てられました。森の中に佇む洋風の建物は、当時はまだ珍しく、多くの女性向け雑誌やメディアに取り上げられます。それから間もなく、空前の清里ブームが訪れ、清里高原には沢山のペンションやホテルが建てられていきました。萌木の村株式会社 代表取締役社長 舩木上次氏は清里生れ清里育ちであり、幼少の頃より清里開拓の父であるポール・ラッシュ博士の背中を見て育ちました。博士が「アメリカ人は最後に牧場とホテルを持つ」と話していたことが記憶にあり、幼いころからこの清里にホテルを作ることが夢だったのだそうです。
20代前半で「ROCK」という喫茶店を作り、28歳の時に念願であったこのホテルを創りました。
「DO YOUR BEST, AND IT MUST BE FIRST CLASS(最善を尽くし、そして一流たるべし)」これはポール・ラッシュ博士が座右の銘として大事にしてきた言葉です。この精神を受け継いだ舩木氏が手掛ける萌木の村には、野外バレエとしては世界一の規模を誇る「清里フィールドバレエ」や、世界トップクラスのビールを造る「八ヶ岳ブルワリー」、そして世界でここだけしか味わえない希少なウイスキーを提供する「Bar Perch」など、「一流」という言葉に恥じないものが沢山ありますが、「このホテルでお客様が一番価値を認めている所は?」という問いに対しては、意外にも「清里の自然」だと仰っております。
『この豊かな清里の自然と共生しながら、その価値を活かしながら、清里ならではのストーリーを作っていけたら、観光地としてこの地は素晴らしい所になる』、舩木氏の中ではそう確信があるようです。
山梨県は富士山や、八ヶ岳、南アルプス山脈、秩父連山と山々に囲まれており、花の宝庫でもあります。八ヶ岳だけでも900種類を超える植物が自生していますが、この萌木の村の庭は、清里の自然にあった八ヶ岳の山野草や植物が700種類育つ、日本でもトップクラスのナチュラルガーデンです。以前はバラ園やハーブ園を作ったこともあったそうですが、管理に手間暇がかかり、維持が困難であったそうです。そんな中、今から10年前にイギリス人のポール・スミザー氏と出会い、限界がある庭づくりではなく、庭に生息する微生物や虫たちと共生しながら清里の自然にあった庭を作ったほうが良いと考えるようになっていきました。自然の力、微生物の力を借りながら、一番バランスのとれた庭を、少し手を加えれば維持できる持続可能な庭をこの10年かけて造り込んでいます。
微生物が育つ土を作るにも7~8年かかり、山から採取した種が発芽するまでも数年かかるものもあります。このナチュラルガーデンには、バラ園のような華やかさはありませんが、自然と我々人間が共生しているという価値を共感できる方に来ていただきたいという想いが込められています。
▲萌木の村内にある八ヶ岳の山野草や植物が茂るナチュラルガーデン
▲萌木の村内にある八ヶ岳の山野草
「ホテル ハット・ウォールデン」では、野菜ソムリエであるシェフが八ケ岳の野菜や山菜をふんだんに使って作るお料理が自慢で、特に朝食は某旅行サイトの朝食ランキングでも上位に入るほどです。
▲ホテル ハット・ウォールデンの洋朝食
そしてこのホテルを語る上でもうひとつ欠かせないのは「Bar Perch」の存在です。
このBarは、舩木氏が地元の一流のものを地元で味わって欲しいという思いから創られたものであり、地元北杜市白州町で造られるサントリーのウイスキー「白州」のノンビンテージから希少な白州25年、白州30年と揃っているBarです。
舩木氏が幼少の頃、ポール・ラッシュ博士は清里に来る著名人たちと共にお酒を飲みながら街づくりについて話をしていたそうです。お酒はコミュニケーションのツールであり、世界の歴史はお酒の席で決まっていると言っても良いほどです。
伝説のウイスキーと呼ばれる「清里フィールドバレエ」を造るきっかけとなったのも、サントリーの名誉チーフブレンダーである興水精一氏と、この地元のもので最高のものを創ろうという話になったことがきっかけだったそうです。
サントリーの白州蒸溜所は、その自然環境や作られるウイスキーも世界トップクラスであり、また輿水氏もイギリスでは殿堂入りする一流のブレンダーであります。その輿水氏に職人としてではなく、表現者としてメッセージを込めた『作品』としてのウイスキーを造って欲しいという舩木氏の想いを伝え、サントリーと輿水氏がそれを形にしたものが「清里フィールドバレエ 記念ウイスキー」です。
「Bar Perch」と「清里フィールドバレエ記念ウイスキー」については、別の記事でご紹介しておりますので、こちらをご参考ください。
伝説のウイスキーを堪能する「Bar Perch」
2021年、今年の清里フィールドバレエ記念ウイスキーは、第26回~29回の記念ウイスキーを手掛けたイチローズモルトこと埼玉県にある「ベンチャーウィスキー秩父蒸溜所」で造られ、「白鳥の湖」をイメージしてブレンドされます。この作品の象徴である「白と黒」「善と悪」と相反するものを表現するために、イチローズモルトの中で一番ピュアな原酒と、一番スモーキーな原酒がブレンドされ、690本限定で造られます。過去の記念ウイスキーを含めて、是非今年のウイスキーも堪能してみてください。
そして、この萌木の村から車で10分程のところにある「ポール・ラッシュ記念館」には、ポール・ラッシュ生誕120周年を記念して造られた希少なウイスキーが、サントリーホールディングス代表取締役副会長 鳥居信吾氏と舩木上次氏の連名で公益財団キープ協会に寄贈され、同館に展示されています。
▲ポール・ラッシュ博士の生誕120周年を記念したウイスキー
清里にお越しの際は、是非「ポール・ラッシュ記念館」にも足を運んで見てください。
清里開拓の歴史を知る!「ポール・ラッシュ記念館」と「清泉寮」
2020年は新型コロナウイルスの影響で観光業界も大きな打撃を受けましたが、これからは「環境の安全」、「食の安全」、「人間の心の豊かさ」をコンセプトとしての街づくりをしていく姿を多くの方に体験していただきたい、そのための「止まり木(Perch)」としての宿を続けていきたいと舩木上次氏は考えているそうです。
『このコロナ禍において、異常なくらいに消毒をして、まるで日本中が滅菌室のようである。コロナが収束したら、もっとナチュラルに生きていく必要があるのではないか。
微生物にも人間に必要なものと害があるものとあり、庭でいうなら、今の状況は土を創る微生物が育たない環境を自分達の体の中に作っているようなもの。
もっとワイルドに、自然の中で、自然と共生して生きる時代がこれからもっと必要になる』そう舩木氏は語っておりました。
自然と共生しながら、地元の一流を味わえる萌木の村。ホテル ハット・ウォールデンに滞在しながら、その萌木の村を存分に味わってみてはいかがでしょうか?
萌木の村に来られたら、是非レストランROCKで、八ヶ岳ブルワリーが作るクラフトビールも忘れずに!
「世界が認める清里高原のクラフトビール 八ヶ岳ブルワリー」
▲萌木の村株式会社
代表取締役社長 舩木上次氏
やまなし観光推進機構職員が取材しました。各お宿の魅力をご紹介します!
エリアでの検索も可能です。
自然の中でこの地の「一流」を体験する『ホテル ハット・ウォールデン』【北杜市】