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甲斐の武将、武田信玄公もその価値を高く認め、激戦での栄養補給や、来客のおもてなしに賞用したと言われている、鮑(あわび)の煮貝。信玄公の叔父にあたる勝沼氏館跡からは茶碗や箸と一緒に鮑の殻が発掘されています。以来、甲州の名物として永く愛され続けてきました。
煮貝
ヤマメ
富士の湧水、山間部の伏流水など豊富かつきれいな天然水に恵まれている山梨県は「名水百選」や「平成の名水百選」にも数多く選定され、ミネラルウォーター生産量に至っては、全国一のシェアを誇っています。この豊富な水資源を活かして養殖された淡水魚は、山梨県が誇る特産物のひとつです。
養殖されている魚種はニジマス、イワナ、ヤマメ、アマゴ、アユ、コイ、ニシキゴイなどであり、特にニジマスの養殖生産量は全国第3位です。きれいな水と確かな養殖技術で大切に育てられた山梨県の淡水魚は、美味しくて、安全・安心です。養殖された淡水魚は、生で食べても寄生虫の心配なくご賞味頂けます。
アユ
海を持たない甲州で鮑の煮貝が名物になったわけ
柔らかく熟成された鮑の煮貝
四方を山に囲まれた甲州の人々は、何とか海の幸にあやかりたいと考えておりました。駿河湾沼津に出た甲州商人は、帰路、陸揚げされた鮑を浜で煮込んで、醤油樽に漬け込みました。それを馬の背に乗せて御殿場-須走-籠坂峠をゆらりゆらりと越える間に、醤油が適度になじみ、柔らかく熟成されたおいしい鮑の煮貝が出来あがったと言われています。
1kg以上!サーモンピンクの大型ニジマス
甲斐サーモンは名水で育まれます
さっぱりと美味しい甲斐サーモン
ニジマスといいますと、釣りの対象あるいはバーベキュー用といった小型のイメージがあると思いますが、ニジマスは1kg以上の大きさに育ちます。山梨県養殖漁業協同組合では1kg以上で赤身(サーモンピンク)の大型ニジマスを「甲斐サーモン」と命名し販売しています。輸入サーモンとは違い、味は淡泊で上品な脂が乗っているのが特徴です。寄生虫の心配がないため、冷凍処理をしなくても生で食べられるので、刺身や寿司がおすすめです。程よく脂が乗った上質な味わいをぜひご堪能ください。
塩焼きはもちろん、フライや刺身でも
ヤマメの塩焼き
山梨県はニジマスの他にも、イワナ、ヤマメ、アマゴなどその他マス類も全国屈指の生産量を誇ります。これら淡水魚の定番調理法といえば、やはり塩焼きです。山梨の清冽な水で育てられた魚だからこそ、塩を振るだけで出るうまみがあります。その他にも、フライや刺身、ムニエルなど、どのような調理法にも合う食材です。一度、ご賞味ください。
フライや天ぷら、唐揚げ、甘露煮でどうぞ
ワカサギ
旨味があり、頭からしっぽまで全部美味しい富士五湖のワカサギも山梨ならではの水産物です。昔から地元の人達の貴重なタンパク源として親しまれてきました。今も、周辺の旅館や飲食店などで、フライや天ぷら、唐揚げ、甘露煮などが味わえます。
冷凍アユや甘露煮、燻製、一夜干し
イワナの骨酒
山梨県には淡水魚の加工品もあります。多摩川源流で育てられたイワナの骨酒。熱燗の日本酒に丹精込めて焼きあげたイワナを入れるだけで、フグのヒレ酒にも勝る味わいがあります。桂川の冷凍アユはご贈答に最適です。他にも甘露煮や燻製、一夜干しなど様々な加工品があります。
泳ぐ宝石とも呼ばれる美しさ
ニシキゴイ
観賞用のコイで「国魚」とも称されます。山梨県では昭和30年代に養殖が始まりました。笛吹市周辺の温泉水や湧水がニシキゴイの鮮やかな紅色を出すのに適していると言われています。山梨県産のニシキゴイの美しさは有名で、全国レベルの品評会で過去に何度も優勝しています。山梨県の泳ぐ宝石をぜひご覧ください。